手榴弾 (日本軍)

手榴弾の歴史と構造

手榴弾（てりゅうだん）は、大日本帝国陸軍が1907年に制式化した兵器であり、軍事技術の進化を象徴する存在です。初期には「壺型手榴弾」として日露戦争において使用されたことがあり、その効果が実証されたため、以降の製造が促進されました。

制式化前の背景

日露戦争の戦闘において、日本陸軍は急造した手榴弾を用い、特にロシア軍との地上戦において相当な数が必要とされていました。1905年3月、東京砲兵工廠では8,500個の製造指示が出され、これが「壺型手榴弾」として知られていました。その後、1907年には手榴弾として制式化され、軍の公式な兵器として採用されることになりました。

手榴弾の改良と演習用手榴弾

手榴弾の制式化後も、幾度かの改良が行われました。1921年には曳火時限式の十年式手榴弾が制定され、さらなる性能向上が図られました。また、演習用手榴弾も製造されており、内部の炸薬を抜いた上で、煙を排出する穴を設けた形で部隊に配備されていました。

構造と性能

制式手榴弾の構造は、約500gの円筒形弾体の中に約30gの黄色薬を詰め込み、着発式信管を備えています。この信管は、地面に衝突することで爆発する仕組みとなっており、雷管として弾丸の薬莢が利用されています。

信管は簡単な形状をしており、ゴムリングを使用して撃針の位置を保持し、発射までの安全を確保しています。しかし、寒気によってゴムリングが緩むと撃針が外れたり、地面への投擲角度によっては不発が起こることもあり、これに関しては改良が行われました。

規格と殺傷威力

手榴弾の殺傷効果は半径約5mとされ、破片による危険域は半径200mに及びます。これにより戦場での威力が確認され、様々な戦闘状況での使用が期待されました。

保管と取り扱い

手榴弾の保管に関しては、雷管と本体を別々に保管することが基本とされ、特に雷汞筒は使用するまで分離しておくことが徹底されていました。使用時には正しい手順に従う必要があり、間違った場合は爆発の危険性が高まります。

結論

手榴弾は日本陸軍にとって重要な兵器であり、日露戦争を契機にその必要性が高まりました。数回の改良を経て、戦場における威力を確立していきました。このような兵器の進化は、戦争時の戦術にも大きな影響を与えたといえるでしょう。

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