払巻込

払巻込(はらいまきこみ)：柔道の捨身技

払巻込は、[柔道]]における効果的な捨身技の一つです。国際柔道連盟]では正式名称として認められており、略号はHRMと表記されます。別名として『[[払腰巻込』も用いられます。

この技は、相手を払腰で崩してから、素早く巻き込むようにして投げる技法です。そのため、相手との体格差が技の成功に大きく影響します。特に、体格の良い選手が得意とする技として知られており、小中学生の大会などでは、体格差を活かして無理やり投げる場面が多く見られます。

しかし、柔道の技の習得には、単なる体格差だけでなく、技術と力量が不可欠です。学年が上がり、対戦相手も筋力や技術を向上させていくにつれて、払巻込を成功させる難易度も高まります。体格差だけでは容易に技が決まらなくなるため、上級者レベルでは、より高度な技術と適切なタイミング、そして正確な体捌きが求められます。

払巻込を成功させるためには、まず相手のバランスを崩すための的確な払腰が重要です。相手を崩すタイミング、そして払腰の角度や強さ、全てにおいて精密なコントロールが必要です。そして、崩した瞬間に素早く相手を巻き込む動きに移行し、勢いを利用して一気に投げ飛ばすことが重要になります。

この技は、相手を完全に自分のコントロール下に置く必要があるため、高度な技術と身体能力、そして戦術眼が要求されます。相手との距離感や体勢、そして技をかけるタイミングを正確に判断しなければ、かえって自分の体勢を崩され、反撃を許す危険性も秘めています。

多くの柔道家にとって、払巻込は習得が難しい技の一つと言えるでしょう。しかし、体格に恵まれた選手にとっては強力な武器となり、試合を有利に進める上で重要な役割を果たす可能性を秘めています。

近年では、タメルラン・トメノフ選手のような、いわゆる『あんこ型』と呼ばれる体格の選手が、この技を得意技として用いることで知られています。彼らのような選手は、払巻込を駆使することで、多くの勝利を収めています。しかし、彼らが成功する背景には、単なる体格だけでなく、高度な技術と練習による積み重ねがあることを忘れてはいけません。

払巻込は、柔道の奥深さと技術の多様性を示す技の一つです。その習得には、並々ならぬ努力と研鑽が必要となりますが、習得に成功すれば、柔道家にとって大きな武器となるでしょう。動画サイトなどで払巻込の技術を学ぶことができますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。

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