払腰
払腰（はらいごし）
払腰は、柔道における重要な腰技の一つであり、講道館や国際[[柔道連盟]]（IJF）で正式に認められた技名です。この技は、相手を特定の姿勢や体勢に誘導し、バランスを崩してから投げることを目的にしています。
技の概要
払腰は相手の右または左の後ろ腰に体重をかけ、そこを支点として後ろに脚を払うことで、相手を横に於いて投げる技です。この技は、内股のように脚の内側からではなく、外側から脚を払い上げることにより、相手をコントロールします。具体的な動作としては、釣り手で相手の襟を掴み、引き手で袖を掴む姿勢から始まります。そして、前回りで相手を崩しつつ脚を振り上げて投げることで、相手を効果的に浮かせて投げることができます。他にも、腰にのせて投げる場合は大車、脚に当てる場合は足車と称されます。
投の形
払腰は、技の中でも特に腰技に分類される代表的な動作です。受け手は右足を出して自然体で構え、そこに技をかけられる形になります。受け手が予想外の動きをすると、技を掛ける側が工夫して応じます。具体的には、右手を受け手の左腋下に入れ、身体を引き付けることで、受け手をこけさせます。
変化技：回込み払腰
この技の一つの変則技として、回込み払腰があります。これを得意とした横山作次郎は、左に体を回転させる独特な体さばきで、相手を前方に崩すことができます。この技も、他の腰技と同様に多くのテクニックや動きが必要とされます。
歴史的背景
払腰の起源は江戸時代にさかのぼり、当時から使用されていた技術です。嘉納治五郎は、自身の技『浮腰』が逃げられやすくなったため、逃れる脚を払うことで新たに払腰を編み出しました。彼は著書の中で、この技の有効性とその歴史的背景を説明しました。
返し技と禁止技
払腰への返し技には、足による払腰返や大外刈があります。一方、楔刈という技は払腰に対する返し技の一種ですが、柔道では禁止されています。柔道のルールの中で、この技を使用すると反則となるため注意が必要です。
他の競技への応用
柔道技術としての払腰は、プロレスにも影響を与えています。プロレスラーは、この技をカウンターとしてよく使っており、特にアメリカのプロレス界では「Judo throw」として知られています。
主な使用者
払腰の巧みな技術を持つ選手には、岩本煌史や小川直也、金本浩二などがいます。また、優宇選手はこの技を使い相手を高角度でマットに叩きつけることで知られています。柔道の技である払腰は、競技者や愛好者にとって重要な技術の一つとされています。
参考文献
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