扶余神宮

扶余神宮は、日本統治時代の[[朝鮮]]、現在の忠清南道扶余郡に建設が計画された神社です。この地は、かつて百済の最後の都があった場所であり、日本との歴史的なつながりが深いとされていました。

朝鮮総督府は、扶余を「神都」として整備する計画を立て、1939年6月15日に扶余神宮を官幣大社として創立しました。この神社の祭神には、応神天皇、神功皇后、斉明天皇、天智天皇が予定されていました。これらの神々は、古代における日本と朝鮮の交流、特に三韓征伐や白村江の戦いといった出来事に関わりの深い人物です。

当初、1943年の鎮座を目指して建設が進められましたが、社殿の基礎工事がほぼ完了した段階で、1945年8月に日本は敗戦を迎えました。これにより、扶余神宮の建設は中断され、同年11月17日には正式に廃止されることとなりました。

扶余神宮が実際に鎮座することはなく、その計画は未完に終わりました。しかし、この神社の計画は、当時の日本が朝鮮半島に対して抱いていた歴史観や、植民地支配のあり方を考える上で重要な事例と言えるでしょう。

扶余という場所は、百済の歴史において重要な意味を持ち、その地における神社の創建は、単なる宗教施設の建設以上の意味を持っていました。しかし、歴史の大きな流れの中で、その計画は実現に至らず、幻の神宮として記憶されることとなりました。

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