承教寺

承教寺（じょうきょうじ）

承教寺は、東京都港区高輪に位置する日蓮宗の歴史ある寺院です。山号は長祐山で、日蓮宗の信者である絵師、英一蝶との深い関わりが特徴です。ここには、英一蝶が描いた釈迦如来像や本尊の曼荼羅が祀られています。承教寺は、池上本門寺の末寺としても知られ、ここでの修行や信仰は多くの人々に影響を与えてきました。

沿革

承教寺は、正安元年（1299年）に一乗院日円によって設立されました。当初の位置は西久保、現在の虎ノ門地域にありましたが、江戸時代初頭の承応2年（1653年）に現在の高輪に移転しました。その後、池上本門寺の末寺として認められ、多くの信者によって支えられてきました。

歴史の中で、承教寺は数度の困難に直面しました。特に、江戸時代中期の大火では、山門や仁王門、鐘楼は惜しくも焼失を免れましたが、本堂は類焼し、天明元年（1781年）に再建されました。このような苦境を乗り越え、現在も信仰の場として存在しています。

明治時代になると、承教寺は明治37年（1904年）に設立された立正大学の前身である大檀林の本拠地となりました。このように、承教寺は教育の場としても多くの人々に貢献してきました。

文化的な価値

また、承教寺は多くの歴史的人物との関わりがあることでも知られています。第55代内閣総理大臣の石橋湛山の母方の実家も承教寺の檀家であり、歴史的な背景が色濃く残っています。

施設

寺院内には、英一蝶の墓があり、これは東京都指定の旧跡としても大切にされています。この墓は、廃院となった塔頭の顕乗院から改葬されたもので、承教寺の文化的な遺産の一部です。

また、二本榎の碑が山門の脇に立っており、訪れる人々に静かな時を提供します。

しかし、昭和16年に日蓮宗の本末が解体されたため、現在では承教寺は旧本山・旧末寺として呼ばれています。その他に、長泉山妙福寺や朝日山安立寺なども承教寺に関連する寺院として知られています。

まとめ

承教寺は日蓮宗の大切な拠り所として、過去から現在に至るまで、多くの信者に支持されてきました。歴史的な価値を持つこの寺院は、英一蝶や多くの有名人との関わりを通して、東京の文化や教育の一端を担ってきた場所でもあります。訪れることで、深い信仰と歴史を実感できるでしょう。

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