技あり

武道における「技あり」とは

「技あり」とは、主に柔道や空手道といった武道において、一本には及ばないものの、優れた技が決まった際に用いられる呼称です。この判定は、試合の流れを大きく左右する要素の一つであり、競技者や観戦者にとって重要な意味を持ちます。

柔道における「技あり」

柔道における「技あり」は、講道館柔道試合審判規定（国内ルール）と国際柔道連盟試合審判規定（国際ルール）の両方に規定されていますが、判定基準には若干の違いがあります。

講道館柔道試合審判規定（国内ルール）

投げ技等： 「完全に一本とは認め難いが、もう少しで一本となるような技」と判断された場合
抑え込み： 10秒以上20秒未満抑え込んだ場合

国際柔道連盟試合審判規定（国際ルール）

投げ技等： 相手をコントロールして投げたものの、「速さ」「強さ」「背中が大きく畳につく」という一本の条件のうち、いずれか一つが不十分な場合
抑え込み： 10秒以上20秒未満抑え込んだ場合

柔道では、「一本」が出た時点で試合は終了となります。国際ルールでは、技ありは勝敗のポイントとして考慮されますが、それ自体が「一本」になることはありません。ただし、2018年からは「合わせ技一本」が復活し、技ありが2回で一本と同等の扱いを受けることになりました。

国際ルールに準拠しない試合では、技ありが2本で「総合勝ち」となり、一本と同等の価値を持ちます。この場合、「合わせ技一本」または「合わせて一本」と表現されます。なお、かつて存在した「有効」は、技ありには至らないまでも評価されるポイントでしたが、現在は廃止されています。

柔道の国際試合では、「技あり」は日本語のまま「Waza-ari」として使用されています。

空手道における「技あり」

フルコンタクト空手では、技が決まった際に相手選手が3〜5秒間（主催流派によって異なる）動きを止めた場合、審判員の多数決によって「技あり」と判定されます。

その他の武道

空道では、打撃による攻防で相手が2秒以上のダウンをした場合に「技あり」となります。

日常生活における「技あり」

武道の枠を超えて、「技あり」という言葉は、日常生活においても、優れた工夫やアイデア、または卓越した技術を評価する際に用いられることがあります。

このように、「技あり」は武道の世界だけでなく、様々な場面でその意味合いを広げ、人々の間で共有される言葉となっています。

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