投げ技

投げ技

投げ技とは、相手の身体に触れた状態から、押す、引く、ひねるなどの力を加え、体勢を崩して倒す技の総称です。レスリング、柔道、合気道といった武道、格闘技をはじめ、プロレスなど、様々な分野で用いられています。

投げ技の目的

投げ技は、単に相手を倒すだけでなく、以下のような目的で使用されます。

試合での勝利: 柔道のように、投げ技が綺麗に決まることが勝利条件となる競技もあります。これは、投げ技の成功が「相手の心・技・体を凌駕した証」であり、「自分に有利な体勢に持ち込むことで勝利の確率を高める」と考えられているためです。
寝技への移行: 投げ技で相手を「立っている状態」から「寝ている状態」に移行させることで、寝技に持ち込み、より有利なポジションを確保したり、関節技や絞め技で相手を降参させたりすることを狙います。
自己防衛: 戦場や日常において、相手を投げ倒すことで、一時的に相手の攻撃能力を奪い、逃走や反撃の機会を得ることができます。また、倒れた相手への追撃も容易になります。

投げ技の種類

投げ技は、その種類も多岐にわたります。以下に代表的な競技における投げ技の例を挙げます。

柔道: 手技、腰技、足技、真捨身技、横捨身技など、多くの種類があります。関節を極めながら投げることは、有効な投技とはみなされないことがあります。
プロレス: バックドロップ、ジャーマン・スープレックス、ブレーンバスター、パイルドライバー、パワーボムなど、見栄えを重視した派手な技が多いのが特徴です。相手の協力がなければ成立しない技も存在します。
総合格闘技: スープレックスやパワーボムなど、プロレス技が流用されることもあります。テイクダウンして有利なグラウンドポジションを獲得する手段、または直接ノックアウトを狙う技として使用されます。
中国拳法: 摔角（シュアイジャオ）という投げ技を専門とする武術も存在します。散打では、投げにダウンと同程度の得点が与えられ、試合における重要度が高いのが特徴です。
合気道: 柔道やレスリングとは異なり、体幹部を掴まず腕を掴む、相手を遠くに押し飛ばすような技が多いのが特徴です。投げた後も、相手が反撃してくることを想定した稽古を行います。四方投げ、入身投げ、小手返しなどが代表的な技です。

投げ技の安全性

投げ技は、受ける側が適切な受身を習得していないと、頭部を強打したり、捻挫や脱臼などの重傷を負う危険性があります。そのため、競技においては、安全性を確保するために、受身の訓練が徹底されています。柔道では、故意に頭から畳に突っ込む投げ技や、投げられる側が故意に頭から畳に突っ込む行為は反則負けとなります。

投げ技は、武道、格闘技において重要な技術であり、試合での勝利や自己防衛に役立ちます。しかし、安全性を確保するためには、十分な訓練が必要です。

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