折原浩

折原 浩（おりはら ひろし）

折原浩は、1935年9月6日に東京で生まれた日本の社会学者であり、東京大学の名誉教授として知られています。彼は学生時代から野球に熱中しつつも、清水幾太郎の著作『社会的人間論』に出会ったことで社会学の道を志すこととなりました。

学歴とキャリア

1958年に東京大学文学部社会学科を卒業した折原は、その後東京大学大学院社会学研究科に進学し、1964年には助手として大学に留まることが決まりました。翌年には教養学部の専任講師、1966年には助教授に昇進しました。折原は1968年から1969年にかけて発生した東大紛争に深く関与し、文学部の学生に対する「不当処分」問題を追及しました。この抗議活動の中、彼は通常の授業を再開せず自主講座を継続し、物議をかもしました。そのため彼は「造反教官」と呼ばれましたが、大学を去ることはなく、1986年には教授として昇進しました。1996年に東京大学を退官し、名古屋大学文学部教授、1999年から椙山女学園大学教授を務め、2002年に退職しました。

研究活動

折原浩は、マックス・ヴェーバーの業績を総合的かつ批判的に検討し、現代における適用について研究を進めてきました。1970年代中頃からは、ヴェーバーの主要な著作『経済と社会』の再構成に継続的に取り組むなど、その研究に尽力しました。

1987年、東大教養学部で中沢新一を助教授として採用する提案があった際には、彼とその仲間たちが反対の声を上げました。折原は、ヴェーバーが『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において行った意図的な資料選択について、不適切さを指摘した羽入辰郎の著作『マックス・ヴェーバーの犯罪』を厳しく批判しました。さらに、羽入が大学院制度に及ぼす影響についても言及し、東京大学大学院人文社会系研究科の責任を問う議論を展開しました。

教育と弟子たち

折原の弟子には社会学者である矢野善郎をはじめ、多様な領域の研究者や実践者が名を連ねています。彼の教育方針や思想が弟子たちに多大な影響を与えており、そのことについては『東大闘争総括――戦後責任・ヴェーバー研究・現場実践』という著書において詳細に語られています。

著書

折原浩は多くの著作を発表しており、その中には以下のようなものがあります。

• - 『危機における人間と学問――マージナル・マンの理論とウェーバー像の変貌』（1969年）
• - 『大学の頽廃の淵にて――東大闘争における一教師の歩み』（1969年）
• - 『マックス・ウェーバー基礎研究序説』（1988年）
• - 『ヴェーバー「経済と社会」の再構成――トルソの頭』（1996年）

彼の著作は、社会学だけでなく他の学問分野にも影響を与え続けています。

最後に

折原浩はその独自の視座と教えを通じて、社会学における重要なリーダーシップを発揮してきました。彼の研究と教育活動は、今なお多くの学徒や研究者に影響を与え続けています。

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