折島

折島（おりしま）

折島は、長崎県南松浦郡新上五島町に位置する青方湾に浮かぶ小さな島です。この島は、その面積が約0.32平方キロメートルと限られていて、周囲を海に囲まれています。全長はおおよそ890メートル、最高点は89.7メートルに達します。また、1955年には最大244人がこの島に住んでいましたが、1976年に無人島となりました。

歴史的背景

折島の定住が始まったのは寛政年間で、長崎の大村藩に属していたキリシタン7戸が島を購入し、移住したことがきっかけとされています。彼らは自給自足の生活を送りましたが、水不足に悩まされていたのが厳しい現実でした。最盛期には244人という人口を誇ったものの、1960年代には徐々に過疎化が進行し、さらに1970年に成立した過疎地域対策緊急措置法によって、住民の集団移住が現実のものとなりました。1976年3月に移住が完了し、多くの住民は中通島の上五島町の青方郷に設けられた折島団地に移り住みました。

移住後の状況

住民の移住が完了した後、隣接する柏島で上五島国家石油備蓄基地の建設計画が浮上しました。この計画に伴い、島の住民が所有していた土地の買い上げに関する交渉が行われ、1988年には基地が完成しました。ただし、折島と柏島の現在の状況では、一般人が立ち入ることはできません。

施設の概要

折島には、島の歴史を語るいくつかの施設があります。1918年に開校した浜ノ浦小学校折島分校は、1966年に廃校となりました。また、1930年に献堂された折島天主堂（折島教会）は、1963年に建て替えられましたが、住民の集団移住に伴い、その13年後の1976年には青方教会に統合され、最終的には解体されてしまいました。これらの施設は、かつての住民の生活と信仰を象徴するものでした。

隣接する島々

折島は海を挟んでいくつかの無人島と隣接しています。中通島や柏島、祝言島、トーセン島といった島々がそれにあたります。特に柏島とは、石油備蓄基地建設時に架けられた橋があり、他の島々とは橋が架けられていないため、アクセスが限られています。

おわりに

折島はその歴史的な背景や地理的な特性から、一度は訪れてみたい魅力的な場所であり、過去の住民たちがどのように生活していたのかを想像することができます。この無人島になった折島は、静かな時間が流れる場所であり、自然との共存を考えさせられるスポットです。

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