折竹錫

折竹錫（おりたけ たまう）は、1884年（明治17年）1月11日に生まれ、1950年（昭和25年）1月13日に没した、大正から昭和時代にかけての日本の翻訳家、フランス語学者です。号は蓼峰（りょうほう）、多音祐（たおんゆう）、R.T.O.を用いていました。

生い立ちと教育

折竹錫は、旧信濃国松本藩士であった折竹嘉鋭の長男として、長野県諏訪郡に生を受けました。1908年（明治41年）には東京帝国大学文学部仏文科を卒業し、その学識の高さを示しました。

教育者としてのキャリア

大学卒業後、折竹錫は陸軍教授として教鞭を執り始めました。その後、第三高等学校教授に就任し、河盛好蔵や桑原武夫など、後の文学界や学術界で活躍する多くの人物を育てました。彼の教育者としての才能は、多くの学生に影響を与えたと言えるでしょう。

海外留学と更なる活躍

折竹錫は、フランスとドイツへの留学経験を持ち、西洋の文化や学問に対する造詣を深めました。これらの留学経験は、彼のフランス語学者としての活動や、教育者としての指導に大きな影響を与えました。

要職歴任と晩年

帰国後、折竹錫は旧制福岡高等学校長に任ぜられ、教育行政にも携わりました。その後、関西日仏学館（現在のアンスティチュ・フランセ日本の前身の一つ）の教授を務め、日仏文化交流に貢献しました。彼の幅広い知識と経験は、様々な分野で活用され、晩年まで精力的に活動を続けました。

著作

折竹錫は、1954年に『フランス新文典』を白水社から出版しました。この著作は、彼のフランス語学に関する深い知識と研究成果を示すものであり、後世のフランス語学習者にとって重要な文献となっています。

人物像

折竹錫は、その温厚な人柄と学識の高さから、多くの人々から尊敬を集めたと言われています。彼の教育者としての情熱と、翻訳家、フランス語学者としての功績は、後世に長く語り継がれることでしょう。

参考文献

* 人事興信所『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2127124。

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