抵抗 (レジスタンス) - 死刑囚の手記より

抵抗 (レジスタンス) - 死刑囚の手記より

この映画『抵抗 (レジスタンス) - 死刑囚の手記より』は、1956年に公開されたロベール・ブレッソン監督の作品で、フランスの映画史における重要な一作です。物語は、第二次世界大戦中にナチスによって監禁されたフランス・レジスタンスのメンバー、アンドレ・ドゥヴィニーの実際の逸話に基づいています。日本でのDVDタイトルは『抵抗-死刑囚は逃げた』で、ブレッソンの名作として多くの映画ファンに親しまれています。

ストーリーの背景

物語は1943年のナチス占領下のフランス・リヨンを舞台にしています。主人公のフォンテーヌは、レジスタンス活動を行っていたため捕らえられ、モンリュック刑務所に送られます。初めて迎えた独房で、彼は仲間たちが次々と処刑される現実に直面しながら、脱走の計画を練ることになります。彼は限られた環境の中で、希望を持ち続け、周囲の囚人たちとの信頼関係を築いていきます。

主なキャラクター

フォンテーヌは、冷静で観察力に優れたキャラクターで、脱走に向けた戦略を練ります。彼の隣室には高齢の囚人ブランシェがいて、はじめは無反応ですが、徐々にフォンテーヌとの会話を通じて協力し始めます。また、フォンテーヌの唯一の友となる囚人テリーは彼に手紙を届けるなど、大切な役割を果たします。さらに、若い兵士ジョストが同房となり、福音をもたらしますが、フォンテーヌは彼が本当に信頼できる存在なのか疑念を抱きつつも、やがて彼を受け入れます。

脱走計画

フォンテーヌは、独房の扉の構造を観察し、少しずつ削り進める作業を続けます。孤独な闘いが続く中、仲間たちの理解や協力を得ることができずに試練を乗り越えます。彼の周囲には、脱走を非現実的と判断する人々や、自身の恐れから協力をしない囚人もいます。しかし、フォンテーヌは希望を捨てず、着実に脱出への道をつくります。

高まる緊迫感

やがて、フォンテーヌの身に死刑判決が下されることで、彼の脱走への焦燥感は一層増します。そんな中、彼の脱走計画は着実に進み、ジョストと共に行動を開始します。彼らは夜の静かな闇の中、監視の目を掻い潜って移動します。緊張感が高まる中での心理描写は、観客に圧倒的な緊張状態を味わわせます。

作品の特徴

ブレッソンは本作で独自の演出法を取り入れ、非職業俳優を起用し、演技の純粋さを追求しています。この手法により、登場人物の感情が行動を通じて描かれ、観客は彼らの内面を直に体験することができます。音響や照明、カメラワークも、物語の閉塞感や緊張感を強調する要素として活用されています。

長い孤独の中でも希望を失わず、自らの運命を切り開くために戦うフォンテーヌの姿は、映画全体に深いメッセージを与え、観客に強い印象を残します。

映画の評価

『抵抗 (レジスタンス) - 死刑囚の手記より』は、カンヌ映画祭で監督賞を受賞し、Rotten Tomatoesでは支持率100%を誇ります。映画界の巨匠ブレッソンの名作として多くの名指揮者や映画監督にも影響を与え、今なお愛され続ける作品となっています。

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