押切蓮介

押切 蓮介（おしきり れんすけ）

押切蓮介は1979年9月19日に東京で生まれた漫画家で、本名は神崎良太です。多様な作風を持ち、特にホラーギャグやサイコホラーの作品で知られています。彼の祖父は直木賞作家の神崎武雄で、母方の祖母は旅館の女将を務めるなど、創作活動を行う環境で育ちました。

キャリアの始まり

押切は1998年に『週刊ヤングマガジン』でデビューを果たしました。初の作品『マサシ!!うしろだ!!』が注目を浴びる中、独特な絵柄とユーモアを交えたホラーギャグというジャンルを開拓しました。彼は漫画家の活動だけでなく、音楽活動も行い、バンド『怪奇ドロップ』のメンバーとしても知られています。2022年現在、押切は怪談専門誌『怪と幽』で『おののけ！くわいだん部』を、また『月刊ビッグガンガン』で『ハイスコアガールDASH』を連載中です。

幼少期と初期の経歴

押切は目黒区で生まれますが、幼少期には川崎市に引っ越しました。工業高校に通っていた際、自身が作っていたものが万力であることに気づき、工業系の職業には向いていないと感じるようになりました。卒業後は専門学校に進学する予定でしたが、家庭の事情でそれは叶いませんでした。結果として、漫画制作を始め、生活費や入学金を稼ぐために初めて投稿した漫画が講談社のウェブサイトに掲載され、続いて『週刊ヤングマガジン』に作品が載せられることになりました。

活動の多様性

デビューからの作風は、怪奇の要素をギャグと融合させた不条理なものであり、初期作品の中には多くの未発表作やボツ作も存在しました。押切は当初、様々な仕事をしながら生活を支え続けており、その中で2000年には『別冊ヤングマガジン』にて『カースダイアリー』、2002年には『悪霊ドリル』を連載し、徐々に執筆スケジュールが増えていきました。

特に2003年から連載を開始した『でろでろ』は、その異色な内容から人気を集め、6年間にわたって続きました。2010年からは『月刊ビッグガンガン』で『ハイスコアガール』の連載を開始し、アニメ化もされるなど大ヒットを記録しました。

著作権問題とその後の展開

2014年には、著作権問題が表面化し、漫画の連載が一時的に休止となる事態に遭遇。しかし、2016年には連載が再開され、作品活動は続いています。また、近年はアニメの制作にも携わり、初監督作品として『ざしきわらしのタタミちゃん』を配信しました。

多岐にわたる作風と影響

押切は、ホラーだけでなくキャラクターの心理や社会を描き出す作品も多く、特に影響を受けたのはゲーム作品『夕闇通り探検隊』です。このゲームが彼に人間ドラマを描くきっかけを与え、作風の多様化にもつながりました。加えて、自身の体験や家庭環境が作品に反映されることも多く、登場人物の設定には負の影響を背景にしたものが多く見受けられます。

個人的な嗜好と人物像

押切は、麻雀やグルメ漫画に興味を持ち、それらの趣味を通じても多くの交流を持つようになりました。また、自身の体験を元にしたエッセイ的なコンテンツも手がけています。漫画家としての活動を続ける傍ら、音楽の制作や仲間たちとの合作も行なっており、多才な一面を見せています。

このように、押切蓮介は多彩な活動を通じて独自のスタイルを築き上げた漫画家であり、今後も注目され続けることでしょう。

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