拓殖大学相撲部

拓殖大学相撲部

拓殖大学相撲部は、拓殖大学に所属する学生によって組織された相撲チームです。その正確な創部時期については詳しい記録が残っていませんが、古くは大正期には既に活動を行っていたことが確認されており、長い歴史を有しています。

歴史と主な成績

部の歴史において特筆すべきは、近年における活躍です。2009年には、東日本学生相撲選手権大会において、実に45年ぶりとなる団体優勝を成し遂げました。この快挙は、チームの粘り強い稽古と結束力の賜物と言えるでしょう。また、同年に行われた全国学生相撲選手権大会では、当時4年生だった森本太良選手が個人戦で並み居る強豪を破り優勝を果たし、学生横綱の称号を獲得しました。これは、拓殖大学相撲部にとって記念すべき栄誉であり、部の名を全国に知らしめる出来事となりました。

特徴的な応援スタイル

拓殖大学相撲部には、「興亜の雄図」という応援歌が存在します。この応援歌は、相撲部の応援のみならず、大学内の他の運動部の応援活動においても広く歌われています。歌詞は全部で4番までありますが、実際の応援の場では、伝統的な慣例として1番の歌詞のみが斉唱されます。応援の際には、独特の振り付けを伴う「乱舞」や「押忍三唱」が行われるのが特徴です。この「乱舞」は、通称「カチマス踊り」としても知られており、拓殖大学の関係者の間では、この応援歌「興亜の雄図」自体が「カチマス踊り」として認識されているほど、一体不可分な存在となっています。勝利への強い願いを込めた、力強く活気あふれる応援スタイルは、チームの士気を高める上で重要な役割を果たしています。

著名な出身者

拓殖大学相撲部からは、多くの力士が大相撲の道に進み、活躍しています。主な出身者としては、以下のような顔ぶれが挙げられます。

吉井山 朋一郎: 学生時代には第2回石川国体や全国学生相撲選手権大会で優勝を飾り、大相撲入り後は前頭11枚目まで昇進しました。
太刀光 昭洋: 東日本学生相撲選手権で優勝経験があり、角界では十両7枚目まで番付を上げました。
舛田山 靖仁: 全国学生相撲選手権大会で準優勝の実績を持ち、プロでは関脇まで昇進しました。引退後は年寄として千賀ノ浦部屋を創設し、後進の指導にあたりました。現在の拓殖大学相撲部監督である舛田守氏は実弟にあたります。
隆濤 剛: ブラジル出身の力士で、学生時代に全国学生相撲選手権大会で優勝しました。大相撲では十両8枚目まで昇進しています。
栃乃洋 泰一: 全国学生相撲選手権大会優勝者の一人であり、プロ入り後は最高位関脇まで駆け上がりました。
栃の山 博士: 春日野部屋に入門後、千賀ノ浦部屋へ移籍しました。引退後、現在は相撲協会の世話人として角界を支えています。
拓錦 広之: 初土俵から12場所連続勝ち越しという記録を打ち立てましたが、最高位は初の負け越しとなった2008年3月場所の幕下6枚目でした。
髙立 直哉: 初土俵からわずか8場所で十両昇進を果たすというスピード出世を見せましたが、十両での在位はその1場所に留まりました。
勝呂 歩紀: 全日本相撲選手権大会で3位入賞を果たした後、日本通運を経て藤島部屋に入門しました。
布施 美樹: 隻腕というハンディキャップを乗り越えてアマチュア相撲で活躍しました。現在は高校で教壇に立っています。

これらの出身者たちは、学生時代に培った力を基盤に、それぞれの道で輝かしい足跡を残しています。拓殖大学相撲部は、こうした卒業生たちの活躍を励みとし、日々の稽古に励んでいます。

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