拳神 KENSHIN

拳神KENSHIN：眠れる潜在能力と壮絶な闘い

2001年、香港映画界を震撼させたSFアクション超大作『拳神KENSHIN』。アンドリュー・ラウ監督が、豪華キャストと最先端技術を駆使し、息もつかせぬ展開で観客を魅了しました。キャッチコピーは「選ばれし者、目覚めよ！」。その言葉が示すように、本作は人間の潜在能力と、それを巡る壮絶な戦いを描き出しています。

本作は当初、人気ゲーム『鉄拳』の実写映画化として企画されましたが、版権問題により、タイトル、キャラクター、ストーリー、全てが変更されました。しかし、その変更は決してマイナスにはならず、むしろオリジナル性の高い、全く新しいアクション映画の誕生に繋がったと言えるでしょう。

物語の中心となるのは、人間の脳の90％は使われていないという事実です。政府は、その眠れる能力を解放するパワーグローブの開発を進めていましたが、その技術は、ある男を世界征服の野望に突き動かすことになります。政府は、危険性を察知し、プロジェクトを闇に葬り去りました。

それから20年後、近未来都市香港で、パワーグローブを狙う秘密結社「ジン21」が暗躍を始めます。ジン21のリーダーは、神拳道の達人フォンロイを洗脳し、主人公クァンの母を殺害、姉を誘拐します。

クァンは、父であるフォンロイと誘拐された姉を救うため、刑事ヤング・ダークの協力を得て、ジン21に立ち向かいます。クァンは、パワーグローブの力を用いて戦うのか、それとも己の拳のみで戦うのか？

本作の見どころは、何と言ってもその圧倒的なアクションシーンです。12万9600カットにも及ぶCG処理と、5000万HKドルという巨額の製作費が、そのスケールの大きさを物語っています。ユン・ピョウ、イーキン・チェン、ワン・リーホンら、香港を代表するアクションスターたちが織りなす、スピード感あふれるワイヤーアクションは必見です。

特に、ユン・ピョウ演じるフォンロイと、ワン・リーホン演じるクァンによる親子対決は、感情のぶつかり合いと、高度な武術の応酬が見事に融合しており、手に汗握る展開となっています。

さらに、セシリア・イップ、クリスティ・ヨンら実力派女優陣の熱演も、物語に深みを与えています。彼女たちの存在は、単なるアクション映画の枠を超え、人間のドラマとしての奥行きをもたらしていると言えるでしょう。

『拳神KENSHIN』は、単なるアクション映画の枠に収まらない、人間ドラマとSF要素、そして高度なアクションが見事に融合した、稀有な作品です。その壮大なスケール、そして緻密に練られたストーリーは、観る者の心を揺さぶり、忘れられない感動を与えてくれることでしょう。

監督のアンドリュー・ラウは、『風雲 ストームライダーズ』などのヒット作で知られる巨匠であり、本作でもその才能を余すところなく発揮しています。脚本はチャン・サプサム、製作はアンドリュー・ラウとジェシンタ・リウという、豪華スタッフ陣によって作り上げられた本作は、香港映画史に残る名作と言えるでしょう。

DVDはハピネット・ピクチャーズよりリリースされており、多くの人に本作の魅力が伝えられています。もしあなたが、未だかつて見たことのないアクション映画を求めているなら、『拳神KENSHIN』はまさにあなたの求める作品と言えるでしょう。

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