指導棋士

指導棋士制度について

指導棋士（しどうきし）は、日本将棋連盟が導入した制度であり、奨励会を退会した棋士が将棋の普及を目的に活動することを旨としています。この制度は1993年までは「準棋士」と呼ばれていましたが、その後名称が変更されました。

資格取得の条件

指導棋士の資格を得るためには、以下の条件を満たす必要があります。まず、奨励会に参加し、初段以上に昇格した後に退会しなければなりません。そして、日本将棋連盟に対して資格申請を行い、これが受理されると正式に指導棋士として登録されます。

指導棋士として認められると、日本将棋連盟から様々な将棋普及活動を依頼されることになります。それに伴い、連盟のウェブサイト上で紹介されるなど、活動における権利と責任も発生します。ただし、指導棋士は棋士としての資格を持っていないため、棋士志望者の師匠になることや棋士総会に出席することはできません。また、アマチュアの将棋大会にも参加できません。

指導棋士の活動内容

指導棋士の活動は主にアマチュアへの将棋指導に特化しています。具体的な業務としては、以下のようなものがあります。

• - 将棋教室やイベントの企画・運営
• - アマチュアの段級位の認定
• - 将棋イベントでの助手としての活動（棋士を補助する役割）
• - 研修会にて幹事の補佐を行うこと

このように、指導棋士は将棋の普及や振興のための様々な活動を行い、アマチュア層との接点を増やしていきます。

現状と課題

現在、日本における将棋人口の中で正規のプロ棋士以外の指導を希望するアマチュアは少なく、指導棋士のみで生計を立てることが難しい状況になっています。これにより、指導棋士の多くは将棋ライターや雑誌の編集者として仕事を持ちながら活動することが一般的です。また、本業の合間に将棋の指導を行う者や、登録はしているもののほとんど活動していない者も存在します。

主な指導棋士

日本将棋連盟には多くの優れた指導棋士が在籍しています。その中には、谷川勝敏氏や成田英二氏、小田切秀人氏などが含まれています。特に谷川氏は、関西地区を中心に将棋の普及活動に力を注いでいます。成田氏は小説『将棋の子』の主人公であり、そのキャラクターは多くの人々に愛されています。また、指導棋士として活躍する者の中には、後藤元気氏や藤内忍氏、古澤耕二氏など、多岐にわたる活動を展開する人々が存在します。

このように、指導棋士は単なる将棋の指導者としてだけでなく、文化的な普及活動にも寄与し、将棋界の発展に重要な役割を果たしています。

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