指詰め

指詰めについて

指詰め（ゆびつめ）は、暴力団などで見られる慣習であり、指を刃物で切断する行為を指します。この行為は、反省や抗議、謝罪の表れとされ、いわゆるエンコ詰めとも呼ばれます。切断される指としては、特に小指や薬指が多く選ばれ、その過程は一部で非常に危険かつ痛烈なものであるため、その文化背景を理解することが重要です。

手法と手順

指詰めが行われる際、事前に指を氷水で冷やしたり、局所麻酔を施して感覚を鈍麻させることが一般的です。切断時には、まな板の上に手の平を載せ、一瞬で指を切断することが求められます。時には文房具の裁断機が使われることもあります。このような行為は暴力団からの脱退や社会復帰を困難にするため、暴力団対策法により、指定暴力団員が他の組員に指詰めを強要することは厳しく禁止されています。万が一、中止命令に違反した場合、刑事罰が科せられる可能性もあります。

反省の手段としての指詰め

指詰めは、日本の暴力団内での戒めや反省の象徴とされています。例えば、過去においては、自らの過ちに対する深い反省の意を示すために小指を詰めることで、集団内の掟を破った責任を果たす行為として広まっていました。このような行為は暴力団内部において自発的な要素を持つこともあり、時には罰として強制されることが無い場合もあります。しかし、基盤となる社会環境の変化や法規制の強化に伴い、この行為は徐々に衰退しています。

仲裁や抗議の手段

また、自身が直接関与していない問題に責任を持たせるために指詰めを行うことや、暴力団同士の対立を和解させる目的でも用いられます。この場合、「生き指」と呼ばれる指が切り落とされます。一方、抗議の手段として韓国や日本の一部で指詰めが行われることもあり、切断された指が抗議の表しとして送付される場合もあります。

歴史的背景

指を切断する行為は、古来より誓約の証とされ、自己への誓いを立てるために用いられてきました。江戸時代にも文献にその行為が見られ、遊女が愛する男性に自身の指を送った事例なども存在しました。このような文化は、現代の暴力団の慣習へと受け継がれています。

現代における変化

ただし、現代では社会の価値観が変化し、指詰め行為はますます少なくなってきています。暴力団員の証言からも、指を切断しても金銭的利益が得られないといった声があがるようになり、示談金の支払いで代替することが増えてきました。社会的な取り締まりも厳しくなり、指詰めの実行は過去の慣習と化しつつあるのです。慣行としての指詰めが社会制度の変化とともにどう変わっていくのかは、今後の大きな課題と言えるでしょう。

その他の表現

日本の関西地域では、指を挟むことを「指を詰める」と表現することがありますが、この表現は一般には広まっておらず、映画などの影響を受けた誤解もあります。実際には、交通機関においてもこれに関連する表現が見直されるなど、言葉の意味も変わりつつあるのです。

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