按司地頭

按司地頭 (あじじとう) とは

按司地頭は琉球王国において特定の領地を統治する役職の名称であり、王子や按司がその地位にあります。この役職は、広くは総地頭と呼ばれることもあり、特に一間切（地域区分）を総領する責任を持っています。按司としての地位を持つ者や王子がこの職にある場合も「按司地頭」と呼ばれます。

概説

歴史的に見れば、按司は近世において王子の直系の当主としての称号として認識されましたが、元々は王子も含めて按司と呼ばれており、この二つの地位は当初は明確に分かれていなかったため、王子も按司地頭としての役割を果たしていました。

喜舎場朝賢が著した『東汀随筆』の中には、「一間切毎に必ず按司地頭が存在し、これは国王および王子・按司が領有する領地を指す」との記述があり、国王も按司地頭の一部として認識されていました。これにより、琉球国王が「按司おそえがなし」と呼ばれていたことから、彼も按司地頭に含まれていると考えられます。しかし近年の沖縄学では、国王が直接支配する間切を「王家直領」と呼ぶのが一般的な認識となっています。

地頭の起源

「地頭」という言葉は、日本の薩摩侵入以降に琉球に取り入れられたものであり、もともと琉球では領主を「里主（さとぬし）」と呼んでいました。やがてこの言葉が「地頭」と改称され、さらにこの役職に就く王子や按司も「按司地頭」として認識されるようになりました。按司地頭は広い意味では総地頭と同義であり、同じ一間切を領有する按司や総地頭をまとめて「両総地頭」と呼ぶこともあります。また、按司地頭と総地頭の双方を有する間切は、「両総地頭持」と呼ばれることがあります。

参考文献

• - 東恩納寛惇『南島風土記』 沖縄郷土文化研究会 (1974年)
• - 沖縄大百科事典刊行事務局編『沖縄大百科事典』 沖縄タイムス社 (1983年)

関連項目

• - 按司
• - 御殿
• - 琉球の地頭一覧
• - 総地頭

このように、按司地頭は琉球の政治的な体制において非常に重要な役割を果たしていた職階であり、地元の歴史や文化を理解する上でも欠かせない存在です。

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