捜査報告書

捜査報告書とは

捜査報告書は、刑事事件の捜査内容や結果を上司に報告するために作成される公式な文書です。この報告書は、事件が発生した後の捜査活動を文書化したものであり、事件解決には欠かせないプロセスの一部となっています。

捜査報告書の種類

捜査報告書には多くの種類があります。事件が発生した直後に作成される「犯罪発生報告書」、実際の現場を調査し記録した「実況見分調書」、現場で撮影した写真をまとめた「写真撮影報告書」、そして被害者からの説明を記録する「被害者調書」などが含まれます。また、逮捕状請求に関連する「被疑者判明報告書」や「逮捕状請求報告書」もあり、それぞれ特定の目的を持っています。

証拠としての役割

捜査報告書は、供述が記載されている場合、伝聞証拠として扱われることがあります。この場合、供述の真実性や、必要な法的要件を満たしているかが検討されます。具体的には、刑事訴訟法321条や322条に基づく要件を満たす必要があります。特に実況見分調書や鑑定書についても同様の要件が求められ、適切な形式で作成されているかが重要です。

供述録取書と伝聞性

警察官が供述を録取した捜査報告書の場合、警察官の供述と被疑者の供述が共に含まれます。この場合、被疑者が報告書に署名押印することで、警察官の供述に対する伝聞性が回避されるため、再伝聞問題は解消される仕組みになっています。

法廷での証拠採用

捜査報告書が法廷で証拠として採用されるためにはいくつかの条件があります。基本的に検察官が証拠として申請し、被告人がその使用に同意すれば、報告書は証拠として認められます。しかし、被告人が証拠採用を拒否した場合、作成者である警察官が法廷で証言を行い、報告書の内容や作成過程についての説明を行う必要があります。

重要性

この捜査報告書は、被疑者を検察に送致する際に非常に重要な役割を果たします。検察は、警察から送付される捜査報告書やその他の証拠書類を基に起訴の可否を判断しますので、適切に記録された報告書は捜査の成功に直結する要素と言えます。


捜査報告書は、単なる文書ではなく、犯罪捜査の成果を証明し法的手続きをサポートする重要な資料です。

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