送致

送致（そうち）について

送致とは、特定の公的機関が法令に基づいて、別の公的機関に特定の案件の処理を任せる手続きのことを指します。これは主に、同じ種類の機関間での移送に関連しており、特に刑事事件においてよく見られる手続きを示しています。

送致の具体例

送致の代表的なケースとしては、司法警察員から検察官への事件の送致があります。このプロセスは、刑事訴訟法の203条、211条、216条、246条に基づいて行われます。一般的に、事件が検察官に送られることは「送検」という用語で表現され、特に被疑者を拘束せずに事件を送る場合は「書類送検」として知られています。

警察官は、逮捕した被疑者について原則として48時間以内に送致手続きを完了させなければなりません（刑事訴訟法203条）。しかし、実務においては、被疑者の仮眠や食事の時間、捜査員の労働条件などを考慮し、送致手続きの時間を延長すべきだとの意見も存在します。

その他の送致の例

送致は刑事事件だけでなく、少年保護に関する手続きにも適用されます。具体的には、検察官が家庭裁判所に対して少年の被疑事件を送致すること（少年法42条前段）や、家庭裁判所が非行少年を少年院に送致すること（少年法24条3項）、さらには児童自立支援施設への送致（少年法24条2項）などがあります。また、逆送や検送と呼ばれる手続きも、少年法の20条1項に基づいて行われます。

送致と送付の関係

法令の用語において「送致」という用語は、人を含む場合に「送付」ではなく「送致」を用いますが、一般的な意味としては送付と同等の意味を持っています。このため、法令用語の改正においても、「送致」は「送付」や「送る」といった表現で扱うことが奨励されています。

まとめ

送致は、公的機関が権限と責任を他の機関に移転する重要な手続きであり、主に刑事事件や少年事件に関連して多様な展開が見られます。この制度は法的な枠組みの中で機能し、司法制度の円滑な運用に寄与しています。

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