掠奪された七人の花嫁

『掠奪された七人の花嫁』

概要

『掠奪された七人の花嫁』（原題：Seven Brides for Seven Brothers）は、1954年にアメリカで公開された映画です。この作品は、スティーヴン・ヴィンセント・ベネットの短編小説『The Sobbin' Women』に基づいています。古代ローマの伝説「サビニの女たちの略奪」をパロディとして描いたこの物語は、スタンリー・ドーネンの監督のもと、ジェーン・パウエルとハワード・キールが主演を務めました。

映画は、シネマスコープ技術を用いて撮影され、鮮やかな色彩を持ちながらも、発色やシャープネスといった点で製作当初からの課題が残っています。この作品は、1964年と1969年にリバイバル上映された際には邦題が『掠奪された7人の花嫁』となり、当時の観客からも好評を得ました。また、1982年にはブロードウェイで舞台化され、その中でも特に「納屋作り」のダンスシーンが広く知られています。

ストーリー

物語は1850年、アダムという青年がオレゴンの山間の地で妻を探すところから始まります。彼はレストランで働くミリーに出会い、短時間で口説き落として農場へと連れ帰ります。しかし、アダムの家には7人の兄弟がいて、散らかり放題の生活環境にミリーは驚愕します。彼女は弟たちをしっかりとしつけ、行動を変えるために様々な努力をします。

町へ出かけるとき、ミリーは兄弟たちに女性と付き合うためのエチケットを教えることで、彼らを町へと引き出します。各兄弟はそれぞれ女性を見つけますが、町でのちょっとした事件がきっかけで大乱闘が発生し、彼らの結婚への道が絶たれてしまいます。アダムは兄弟たちに「サビニの女たちの略奪」の話を語り、これが彼らの行動に影響を与え、いづれ町へと襲撃をかけることになります。

結局、町の人々が雪崩に阻まれた結果、兄弟たちは女性たちを連れ帰ることができるようになりますが、ミリーは男たちを納屋に閉じ込め、女性たちと共に母屋で過ごします。こうして、一緒に厳しい冬を乗り越えた彼らは、春が来る頃には立場が逆転し、兄弟たちと女性たちは協力し合うようになります。

最後には、町の人々が娘たちを取り返そうとやってきますが、彼女たちは兄弟たちを支えに立ち向かいます。さらに、ミリーに第一子が誕生した際には、彼らは結婚式を一斉に執り行い、冬の終焉と春の訪れを祝います。

キャストおよびスタッフ

この映画は、アカデミー賞で5部門にノミネートされ、ミュージカル音楽賞を受賞しました。監督はスタンリー・ドーネン、製作はジャック・カミングスが手掛けています。脚本はフランシス・グッドリッチ、アルバート・ハケット、ドロシー・キングスレーが協力しており、音楽はジーン・デ・ポールが担当しました。映画は現在、アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されており、今도なお多くの人々に愛されています。

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