採血法

採血法の概要

採血法（さいけつほう）は、血液を採取するための医療手法であり、臨床検査の中でも特に重要な役割を果たしています。静脈から行う静脈採血と、動脈から行う動脈採血に大きく分けることができ、いずれも病気の診断に欠かせないものです。

採血の目的

採血は、血液中に含まれる細胞や酵素、抗体の量を測定し、その変動を観察することで、病気の存在や進行状況を把握するために行います。これにより、適切な治療を行うための情報を得ることができます。

静脈採血の手技

意義

静脈採血は、以下のような目的で行われることが一般的です：

• - 血液検査
• - 血液塗沫検査
• - 血液培養検査
• - 静脈血液ガス分析

実施方法

静脈採血の手技としては、まず駆血帯を体幹からの距離で絞り、静脈内の血液を滞留させることで静脈を拡張させます。通常、尺側正中静脈または橈側静脈が選ばれます。静脈が拡張したら、片方の手で静脈を固定し、もう一方の手で穿刺部位の皮膚を引っ張りながら、針を30度から45度の角度で刺します。針が静脈に入れば、採血器具への血液の逆流を確認し、適切な量の血液を採取します。

採血が済んだら、針を抜き、駆血帯を外した後、圧迫止血を行い、止血パッドを貼ります。使用した針は廃棄し、その他の器具も専用の消毒剤で処理します。

合併症

静脈採血には、血腫や皮下出血、疼痛の他、神経損傷のリスクも伴います。神経損傷の確率は非常に低いものの（約0.004%）、刺した際に迷走神経反射を引き起こすことがあり、これにより気分不良や血圧低下、徐脈などの症状が現れることがあります。

動脈採血の手技

意義

動脈採血は、特に血液ガス分析を行う際や、静脈血を採取できない場合に実施されます。

実施方法

動脈採血の場合は、大腿動脈や上腕動脈、橈骨動脈を選んで穿刺を行います。前述の静脈採血と同様に、動脈を2点で触知し、その中央を狙って針を刺します。針を抜いた後は、十分に圧迫止血を行うことが重要です。

採血に関する法律

採血は医師法に基づく医療行為であり、看護師などが行う際には、医師や歯科医師の具体的な指示が必要です。

採血の専門職

欧米では、資格を持つ採血専門の医療従事者であるフレボトミストが採血を行うことが一般的です。フレボトミストは静脈穿刺や静脈注射・留置などの技術を有し、安心・安全な採血を提供します。

関連項目

• - 動脈血
• - 静脈血
• - 献血
• - 売血

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