掩体掘削機

掩体掘削機の概要

掩体掘削機（えんたいくっさくき）は、陸上自衛隊施設科によって使用される特殊な重機です。この機械は一般的に油圧ショベル、またはパワーショベルと呼ばれるもので、主な目的は掩体壕や塹壕の掘削、さらには土砂の積込み作業です。また、災害派遣時にも欠かせない装備として位置付けられています。

諸元

掩体掘削機の基本的な仕様は以下の通りです。

• - 全長: 約9,350 mm
• - 全幅: 約2,810 mm
• - 全高: 約3,050 mm
• - 全備重量: 約20,000 kg
• - 走行速度: 約5.5 km/h
• - 旋回速度: 約10.7 rpm
• - 登坂能力: 約tanθ 70%
• - 接地圧: 約4.5 kPa
• - 定格出力: 約90 kW

この数値は、民生品を基にしており、異なる仕様のものも存在します。

特徴

掩体掘削機は、民間で利用されるバックホーと似た構造を持ちながらも、戦闘行動に対応できるよう設計されています。そのため、外装はOD色（オリーブドラブ色）または二色迷彩となっており、視認性を低くしています。加えて、掘削作業を効率的に行うために、アーム部分は360度回転可能で、ローディングショベルとしても使用できるのが特徴です。

また、車体を左右に傾けることができる機能も備えており、さまざまな作業に柔軟に対応します。さらに、一部の作業については自動化の機能が装備されており、作業効率の向上が図られています。通常の油圧ショベルとは異なり、掩体掘削機は陸上自衛隊独自の仕様が求められるため、製造には主に小松製作所が関与しています。

製作

掩体掘削機は、小松製作所によって製造されています。この企業は土木機械や建設機械の分野で広く知られ、多くの機種を手掛けていますが、掩体掘削機に関しては特に陸上自衛隊向けの独自の設計が施されています。

登場作品

掩体掘削機は、いくつかのフィクション作品に登場し、特に自衛隊の活動を描いた漫画や小説で見られます。以下はその一部です。

• - 漫画: 『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり|ゲート_自衛隊_彼の地にて、斯く戦えり』では、自衛隊の装備として異世界での土木作業に用いられる場面があります。
• - 小説: 『超空自衛隊』では、オーストラリアへの災害派遣中に第二次世界大戦へとタイムスリップし、飛行場の建設に使われる装備として描かれています。また、 『ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記』では、異世界での瓦礫撤去に使用される装備の一つとして登場しています。

まとめ

掩体掘削機は陸上自衛隊の重要な装備であり、高度な技術と特別な機能が求められる機械です。災害派遣や戦闘行動において、その効率的な作業能力は、自衛隊の活動を支える大切な要素となっています。

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