掘削

掘削（くっさく）とは

掘削とは、土砂や岩石を掘り取って穴を開けることを指します。単に穴を掘るだけでなく、資源の採取や建設工事など、様々な目的で行われる人間の根源的な行為の一つです。

掘削の歴史

掘削の歴史は古く、ネアンデルタール人が埋葬のために穴を掘っていたことから、少なくとも5万年前には掘削技術が存在していたと考えられます。

日本における掘削の歴史

日本では、縄文時代に床面を掘り下げた竪穴建物が一般的でした。また、旧石器時代から狩猟のために落とし穴が用いられており、三島市の初音ヶ原遺跡や長泉町の東野遺跡などで、約3万年前の落とし穴が発見されています。これらの発見は、日本において古くから掘削が行われていたことを示しています。

掘削に用いる道具と機械

掘削には、人力で行う場合と機械力を用いる場合があります。それぞれの代表的な道具と機械を紹介します。

人力による掘削道具

シャベル
スコップ
つるはし
くさび
オーガー
掘棒(ディガー)
ホールディガー
踏み鋤

機械力による掘削機械

油圧ショベル（パワーショベル、バックホウ、ユンボ）
スクレイパー
クラムシェル
ドラグライン
ブルドーザ
ブルドーザーに装備するリッパ
ハンマードリル
ブレーカー
ウォータージェット
発破（はっぱ）
静的破砕剤

掘削の制約

日本では、私有地であっても特定の場所で掘削を行う場合、事前の許可や届け出が必要となる場合があります。以下はその主な例です。

生産緑地地区（生産緑地法）
緑地保全地域（都市緑地法）
伝統的建造物群保存地区（文化財保護法）
周知の埋蔵文化財包蔵地（文化財保護法）
市街地開発事業等予定区域（都市計画法）
海岸保全区域（海岸法）
河川区域（河川法）
砂防指定地（砂防法）
保安林（森林法）
景観計画区域（景観法）
特定の有害物質により土壌が汚染されている区域（土壌汚染対策法）

掘削に関する資格

掘削作業には、専門的な知識や技術を要するものがあります。そのため、以下の様な資格が存在します。

地山の掘削作業主任者
地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習
採石のための掘削作業主任者
ずい道等の掘削等作業主任者

国際的な掘削プロジェクト

掘削技術は、地球規模の科学研究にも活用されています。

モホール計画
深海掘削計画 - 国際深海掘削計画

掘削技術を競う大会

掘削技術を競うユニークな大会も存在します。

全国穴掘り大会：千葉県成田市で開催される穴掘りの速さや正確さを競う大会。ギネス記録にも登録されています。
墓穴掘り：ハンガリーやシベリアなどで開催される、墓穴を掘るスピード、テクニック、美しさを競う大会。

関連項目

切土
床掘
浚渫
鉱業
井戸
ボーリング
海洋掘削
発掘調査
土壌動物
巣穴

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