揖斐高

揖斐 高（いび たかし）

揖斐高は、1946年9月18日に福岡県で生まれた近世日本文学の研究者です。文学博士の学位を持ち、特に近世の漢詩、特に柏木如亭に関する研究で広く知られています。彼は成蹊大学の名誉教授として、多くの学生に影響を与えてきました。さらに、彼は日本学士院の会員でもあり、紫綬褒章や瑞宝重光章といった名誉も受けています。

経歴

揖斐は、1971年に東京大学国文学科を卒業した後、1976年には同大学院の博士課程で単位取得満期退学しました。在学中に富士川英郎の著作である『江戸後期の詩人たち』に触れ、近世漢文学の研究を目指すことになりました。

1978年度には第5回日本古典文学会賞を受賞し、1999年には文学博士の学位を取得しました。この年に発表した『江戸詩歌論』は、第50回読売文学賞（翻訳・研究部門）を受賞するなど、彼の研究は高く評価されています。さらに、2010年に出版した『近世文学の境界』では第18回やまなし文学賞、角川源義賞を受賞し、その後も継続的に研究成果を発表してきました。

また、彼は2011年に紫綬褒章を受章し、2017年には日本学士院の会員に選出されました。2019年には瑞宝重光章を受け、2021年には皇居において講書始の儀で進講を務めるなど、文化活動にも多く関与しています。

主な著書

揖斐の著作にはいくつかの重要な作品があります。1998年に出版された『江戸詩歌論』や、2000年の『遊人の抒情 柏木如亭』が特に有名です。また、彼の研究は江戸時代の詩歌や文人サロンの様子を捉えた書籍にも見られ、例えば2009年の『江戸の文人サロン 知識人と芸術家たち』や、2014年の『江戸幕府と儒学者 林羅山・鵞峰・鳳岡三代の闘い』などがあります。これらの著作は日本の近世文学の理解を深める重要な資料となっています。

校注・共著

揖斐は校注や共著としても多くの業績を残しています。1979年に発表した『柏木如亭集』や、1986年の『蕪村集・一茶集』など、多岐にわたる作品に寄与しています。また、岩波文庫から出版されたさまざまな訳注・解説もあり、近世文学のさらなる理解を促進しています。

まとめ

揖斐高は近世日本文学研究の第一人者として、その業績は業界内外で高く評価されています。彼の著書や研究成果は、今なお多くの研究者や学生に利用されており、近世文学の魅力を広める活動を続けています。彼の功績は、文学界における重要な貢献として後世に語り継がれることでしょう。

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