損害保険登録鑑定人

損害保険登録鑑定人とは

損害保険登録鑑定人とは、一般社団法人日本損害保険協会が実施する認定試験に合格し、登録された専門家を指します。彼らは、保険の対象となる建物や動産の保険価額の算出、損害額の鑑定、そして事故の原因や状況の調査など、多岐にわたる業務を担います。

級位と資格

損害保険登録鑑定人には、1級から3級までの階級が存在します。それぞれの級に応じて、受験資格や試験科目、合格基準が異なります。また、一定の公的資格を保有している場合、「専門鑑定人A」または「専門鑑定人B」として登録することも可能です。

3級
受験資格：特になし（ただし、反社会的勢力に関与している者は除く）
試験科目：「保険・一般常識」、「電気・機械」、「建築」（一級建築士または二級建築士は免除）
合格基準：各科目60点以上
2級
受験資格：3級鑑定人に登録されていること
試験科目：「電気」（第一、二、三種電気主任技術者は免除）、「機械」、「簿記会計」（公認会計士、税理士及び日商簿記検定1級資格者は免除）、「保険・一般常識」、「建築」(一級建築士または二級建築士は免除)
合格基準：各科目70点以上
1級
受験資格：2級鑑定人に登録されていること
試験科目：「電気」（第一種電気主任技術者は免除）、「機械」、「簿記会計」（公認会計士、税理士及び日商簿記検定1級資格者は免除）、「保険・一般常識」、「建築」(一級建築士は免除)、「研究レポート」
合格基準：各科目70点以上

合格率

合格率については正確な数値は公表されていませんが、日本損害保険協会のQ&Aによると、1級は5～10％、2級は10～20％、3級は20～30％が目安とされています。

専門鑑定人

1～3級の損害保険登録鑑定人の資格に加え、以下の公的資格を有することで、「専門鑑定人A」または「専門鑑定人B」として登録できます。

専門鑑定人A
建築積算士
一級建築士
1級土木施工管理技士
1級建築施工管理技士
1級管工事施工管理技士
第一種電気主任技術者
公認会計士
税理士
不動産鑑定士
技術士
建築設備士
専門鑑定人B
二級建築士
2級土木施工管理技士
2級管工事施工管理技士
特級ボイラー技士
一級ボイラー技士
第二種電気主任技術者
2級建築施工管理技士
第三種電気主任技術者
第一種電気工事士
木造建築士
会計士補
不動産鑑定士補
技術士補

公益社団法人 日本損害鑑定協会

損害保険鑑定業務を専門とする事業者が会員となっている団体です。自然災害や事故による損害に対し、公正かつ迅速な鑑定を行うことで、国民の利益保護と経済活動の安定に貢献することを目的としています。損害保険登録鑑定人の資格認定・登録は日本損害保険協会が行っており、日本損害鑑定協会は事業者団体である点に注意が必要です。

沿革

1975年10月：東西の鑑定人協会が合併し、日本損害保険鑑定人協会（任意団体）を設立
2010年5月：任意団体から「一般社団法人 日本損害保険鑑定人協会」へ移行
2020年8月：「一般社団法人 日本損害保険鑑定人協会」から「一般社団法人 日本損害鑑定協会」に名称変更
2021年11月：公益社団法人認定

会員数

2021年4月1日現在、63会員1,034名が所属しています。

関連項目

鑑定人：法令上の鑑定人とは異なります。
交通事故鑑定人
損保アジャスター：自動車等の損害調査業務を行う資格です。

外部リンク

一般社団法人日本損害保険協会「損害保険登録鑑定人」認定試験
* 公益社団法人日本損害鑑定協会

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