搾乳器

搾乳器とは

搾乳器（さくにゅうき、breast pump）は、乳腺に溜まった母乳を搾り出すための器具です。赤ちゃんが直接おっぱいを飲めない状況、例えば赤ちゃんが眠っている時、入院している時、または預けられている時などに、母乳を与える手段として用いられます。また、乳首にトラブルがあり、直接授乳が困難な場合にも搾乳器が活用されます。

搾乳器の種類

搾乳器には、大きく分けて手動タイプと電動タイプの2種類があります。

手動タイプ

手動搾乳器は、ハンドルを繰り返し握ることで母乳を搾り出す仕組みです。自分の力加減で吸引力や搾乳のペースを調整できるため、より自然な搾乳が可能となる場合があります。電動タイプに比べて本体価格が安く、軽量で持ち運びにも便利というメリットがあります。外出先や旅行先など、電源がない場所でも使用できるのが利点です。

電動タイプ

電動搾乳器は、モーターの力で自動的に搾乳を行うタイプです。両胸同時に搾乳できる製品が多く、短時間で効率的に多くの母乳を搾乳できます。吸引力や搾乳のリズムを細かく設定できる機種もあり、より快適な搾乳をサポートします。頻繁に搾乳を行う方や、より多くの母乳を必要とする場合に便利です。

母乳の保存

搾乳した母乳は、専用の母乳フリーザーパックに入れて冷凍保存することができます。冷凍保存した母乳は約-18℃で保管し、数週間から数ヶ月程度保存が可能です。母乳を解凍する際は、高い温度で解凍すると母乳の成分が破壊される可能性や、赤ちゃんが火傷をする危険性があるため、適切な方法で解凍する必要があります。湯煎や冷蔵庫での解凍が推奨されます。

母乳保存時の注意点

• - 清潔な環境: 搾乳器を使用する前には、必ず手を洗い、清潔な状態で搾乳を行いましょう。
• - 保存容器: 母乳を保存する際には、必ず専用の母乳保存パックを使用し、密閉して保存してください。
• - 解凍方法: 冷凍母乳を解凍する際は、電子レンジでの解凍は避け、湯煎や冷蔵庫でゆっくりと解凍しましょう。
• - 再冷凍: 解凍した母乳の再冷凍は避け、解凍後24時間以内に使用するようにしましょう。

搾乳器を選ぶポイント

搾乳器を選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。

• - 使用頻度: 使用頻度が高い場合は、電動タイプがおすすめです。短時間で効率的に搾乳できます。
• - 予算: 手動タイプは安価で手軽ですが、電動タイプは高価な場合があります。予算に合わせて選びましょう。
• - 持ち運びやすさ: 外出先で使用する場合は、軽量でコンパクトな手動タイプが便利です。
• - 使いやすさ: 実際に使用してみることで、自分に合った使いやすい搾乳器を見つけましょう。
• - 吸引力: 吸引力の調整ができるかどうかも重要なポイントです。

まとめ

搾乳器は、母乳育児をサポートする上で非常に便利なアイテムです。様々な種類がありますが、ご自身の状況やニーズに合わせて最適なものを選び、快適な母乳育児を送りましょう。搾乳器の利用で、直接授乳が難しい状況でも赤ちゃんに母乳を与え続けることが可能になります。

関連項目

• - 母乳栄養

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