摩耶堂製薬

摩耶堂製薬株式会社

会社概要

兵庫県神戸市西区に本社を構える製薬会社です。1935年に創業し、現在は初代法人から事業を承継した2代目法人であり、ロート製薬株式会社の完全子会社として事業を展開しています。

事業内容と特徴

同社は主に漢方薬に特化した一般用医薬品（OTC医薬品）の開発、製造、販売を行っています。代表的な製品には、男性向け強壮薬の「金蛇精」や、血糖を穏やかに下げる「糖解錠」、泌尿器系の不調に用いる「腎仙散」などがあります。関西地方を主な地盤としながら、漢方薬メーカーとしては比較的高い認知度を有しています。地元関西の独立UHF局であるサンテレビやKBS京都では、「金蛇精」や肌荒れ・にきびなどに用いる「ネオ小町錠」といった製品のテレビCMが長年にわたり放映されており、その存在を知られる要因の一つとなっています。

沿革

1935年：薬草の一般販売業として法人組織に改組し、創業を開始しました。
1950年：製薬工場を新設し、製造から卸、小売までを一貫して手掛ける体制を確立しました。
1953年：神戸市三宮地区で小売店舗の展開を開始しました。
1956年：「金蛇精」をはじめとする製品群や漢方製剤の製造・販売に必要な承認および許可を取得し、本格的な製造販売を開始しました。
1967年：伝統的な煎じ薬を簡便なエキス製剤として製品化し、製造・販売を開始しました。
1968年：近畿地方を中心に、薬局や薬店への直接販売体制を構築しました。
1981年：代理店網を通じた全国への商品供給を開始するとともに、サンテレビでのテレビCM放映を開始しました。
1984年：本社工場を神戸市西区玉津町に新築・移転しました。
1995年：阪神・淡路大震災により本社と工場が被災しましたが、工場は翌年復旧されました。
1996年：子会社を通じて医療用医薬品の営業活動を開始しました。
2000年：医療用外用剤の製造・販売を開始しました。
2001年：複数の子会社を統合し、営業本部と東京支社を設置しました。
2015年：設立された新会社への吸収分割と株式譲渡により、ロート製薬株式会社のグループ企業となりました。旧会社は清算手続きへ移行しました。
2016年：販売網の整備に伴い、直営薬店「摩耶堂総本店」を閉店。旧会社は解散・清算手続きを終え、法人格が消滅しました。
2017年：医療用医薬品事業から撤退し、主力製品である「ネオ小町錠」「十方便秘薬」「雲仙錠」などを順次リニューアルし、全国展開を本格化しました。
2018年：生産能力増強と施設の老朽化対策のため、新工場の建設に着手することを発表しました。
2019年：分散していた本社事務所、物流倉庫、品質管理棟を工場敷地内に集約・統合しました。
2020年：新工場棟および漢方エキス製造設備が完成。製品のリニューアルや他社への販売移管も実施しました。
2022年：新たな和漢ハーブブランド「HERBAL.」を立ち上げ、クラウドファンディングを通じて販売を開始しました。

ロート製薬グループ入り後の改革と課題

2015年にロート製薬の傘下に入って以降、販売網の再構築、直営薬店の閉鎖、医療用医薬品事業からの撤退、主力製品のリニューアルなど、抜本的な経営改革が実施されました。こうした改革により、2015年10月時点では101品目あった販売品目数は、2024年5月には約5分の1にあたる21品目にまで集約されています。また、「ネオ小町錠」の外箱には「ロート製薬グループ」のロゴが表示されるようになりました。

新たな経営体制の下で事業を立て直す過程で、旧経営時代の一部強壮剤において、承認された処方とは異なる（有効成分が少ない）内容で製造され、その記録も適切に残されていなかった問題が自社内で発見されました。会社は直ちにこの事実を行政当局に報告し、是正措置を講じましたが、この行為が医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（薬機法）に違反するとして、2017年1月6日から22日までの17日間にわたり業務停止処分を受けた経緯があります。

主な製品群

同社は多岐にわたる漢方製剤や生薬製剤を製造販売しています。
男子強壮保健薬: 金蛇精（男性ホルモン配合）
生薬製剤: 雲仙散、雲仙錠（鎮痛・血流改善）、摩耶字散（鎮痛・抗炎症）、腎仙散（抗菌・利尿）、糖解錠（血糖降下）、清気散、快気散（鎮咳）、摩耶清肝散（肝臓疾患薬）、婦参散（更年期障害治療薬）
便秘薬: 十方便秘薬、マヤ五黄錠
皮膚病用内服薬: ネオ小町錠
循環器用薬: マヤ養命錠

事業所

本社：兵庫県神戸市西区
東京営業所：東京都中央区

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