撫養城

撫養城の歴史と現在の姿

撫養城（むやじょう）は、徳島県鳴門市撫養町林崎に位置し、別名として岡崎城や林崎城とも呼ばれています。この城跡は「岡崎城跡」として市指定の史跡に登録されており、地域の歴史的価値を示しています。

城の築城と歴史的背景

撫養城の建設時期については諸説あり、小笠原氏が居城として使用したとの伝承がありますが、詳しい情報は確認できていません。戦国時代の後期には、三好氏配下の四宮氏が城主として統治していました。しかし、1582年、長宗我部元親が阿波に侵攻し、撫養城を占拠しました。

この後、元親の部下の真下飛騨守が城を守ることとなりましたが、1585年には豊臣秀吉の四国征伐が行われ、再び城は落城しました。その後、蜂須賀家政が阿波の新たな領主となると、彼は地域にある城のうちの一つとして撫養城を選び、家臣の益田正忠を城番に任命しました。これにより撫養城は阿波九城と呼ばれる城の一つとして位置づけられたのです。

元和元年（1615年）に制定された一国一城令により撫養城は廃城になることは免れましたが、寛永15年（1638年）の再度の一国一城令により最終的に廃城となりました。

現在の遺構と観光スポット

撫養城の跡地には、いくつかの曲輪や石垣の遺構が残されており、歴史を感じさせる場所となっています。城跡は妙見山公園として整備されており、訪れる人々は自然の中で歴史に触れることができます。

妙見山の頂上近くには、天保元年（1830年）に建設された妙見神社が存在し、地域の信仰の対象となっています。また、この公園内には三層の模擬天守も建設されており、訪れる観光客にとって写真映えするスポットとされています。ただし、撫養城本来の天守は存在していなかったため、模擬天守はあくまで観光用の施設です。

さらに、かつて天守内部には徳島県立鳥居記念博物館が存在していましたが、2010年11月に文化の森総合公園に移転しました。その後、2016年3月には旧博物館をリニューアルし、「トリーデなると」という地域の交流施設としてオープンしました。この施設は地域住民や観光客の交流の場として利用されており、撫養城の歴史を学ぶ場としています。

まとめ

撫養城は歴史的な背景や現在の遺構から、多くの訪問者を惹きつける魅力を持つ場所です。城址や公園、地域の文化施設を訪れることで、徳島の歴史を深く感じることができるでしょう。興味がある方は、ぜひ訪れてみることをおすすめします。

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