放課後!ダンジョン高校

放課後!ダンジョン高校

『放課後!ダンジョン高校』（ほうかごダンジョンこうこう）は、漫画家・山西正則が手掛けた日本の漫画作品です。徳間書店が発行する『月刊COMICリュウ』にて、2013年3月号から連載を開始しました。その後、同誌の休刊に伴いウェブ連載へと移行し、2018年11月20日まで物語が紡がれました。全67話が発表されています。

物語の舞台とあらすじ

物語は、四国の沖合に浮かぶ架空の島、源五郎島にある弾正高校を舞台に展開します。平凡な高校生である宇佐見ヨウイチは、都会の喧騒を離れ、この島でのんびりとした学園生活、いわゆる「レジャー三昧の青春」を夢見て進学します。しかし、彼が足を踏み入れた源五郎島は、その理想とはかけ離れた過酷な現実が待っていました。

島の地下には広大な古代遺跡が眠っており、そこからは異形のモンスターが絶え間なく出現します。島の人々は、遺跡発掘による一攫千金を狙う者や、危険な環境に適応した者たちばかり。弾正高校もまた、この特異な環境と深く関わっており、生徒たちはダンジョンと化した島でのサバイバルを強いられます。

宇佐見ヨウイチは、同級生である阿螺井に誘われる形で遺跡の冒険に巻き込まれていきます。極限状態での探索を通して、彼は遺跡に眠る「オーパーツ」と呼ばれる超常的な物品の力を得ることになります。その力は宇佐見を人外の存在へと変貌させますが、同時に人間としての生殖能力を失うという重い代償を伴いました。物語は、この島で出会う個性的な仲間たちと共に、遺跡の謎やモンスターとの戦い、そして自らの変容と向き合いながら成長していく宇佐見の姿を中心に描かれます。

単行本9巻からは、主要な視点が新たな主人公である最上トキへと移り、物語は事実上の第2部へと突入します。

主な登場人物

宇佐見ヨウイチ（うさみ ヨウイチ）: 本作の序盤における主人公。穏やかな青春を期待して源五郎島へやってきた平凡な高校生でしたが、島で直面する過酷な現実の中で成長していきます。遺跡での冒険によりオーパーツの力を得ますが、その代償として生殖機能が失われます。自身だけでなく、自らを欺いてきた阿螺井の体をも元に戻そうとする彼の純粋な献身は、周囲の人々の心に影響を与えます。
三笠シオ（みかさ シオ）: 源五郎島で狩猟を生業としている寡黙な少女。左足に装着した義足を巧みに武器として用い、巨大なモンスターさえ狩る確かな実力を持っています。後に宇佐見との間に子供を授かります。
阿螺井（あらい）: 宇佐見の同級生。常にサングラスを着用しています。遺跡で行方不明となった自身の父親の消息を追って島にやってきました。ライフルを主な武器とします。彼もまたオーパーツの力で異能を得るものの、宇佐見と同様に生殖能力を失います。多くの偽りを重ねてきた宇佐見の、自身をも救おうとするひたむきさに触れ、徐々に心を開いていきます。
朝生田悠美（あそだ ゆみ）: 弾正高校のアイドル的存在。過去には芸能事務所に所属していた経験があります。自身の誇る身体的特徴を強調するため、普段から露出の多い服装を好みますが、宇佐見にその点以外に長所がないと指摘されたことを実は気にしています。
* 鵜狩川（うかりかわ）: 弾正高校に勤務する教員の一人です。

書誌情報

徳間書店〈RYU COMICS〉より、全11巻が刊行されています。

1. 2013年7月13日発売、ISBN 978-4-19-950346-7
2. 2014年1月11日発売、ISBN 978-4-19-950374-0
3. 2014年8月12日発売、ISBN 978-4-19-950411-2
4. 2015年2月13日発売、ISBN 978-4-19-950440-2
5. 2015年9月12日発売、ISBN 978-4-19-950473-0
6. 2016年3月12日発売、ISBN 978-4-19-950498-3
7. 2016年9月13日発売、ISBN 978-4-19-950528-7
8. 2017年4月13日発売、ISBN 978-4-19-950563-8
9. 2017年10月13日発売、ISBN 978-4-19-950592-8
10. 2018年5月11日発売、ISBN 978-4-19-950626-0
11. 2019年1月12日発売、ISBN 978-4-19-950665-9

この作品は、閉鎖的な特殊環境である源五郎島を舞台に、青春、冒険、そして異能と人間のあり方を問うテーマを描いたユニークな学園バトルファンタジーです。理想と現実のギャップに苦しみながらも、仲間と共に成長していく少年少女たちの姿が魅力的に描かれています。

もう一度検索