政府効率化省

政府効率化省（DOGE）について

政府効率化省（Department of Government Efficiency, DOGE）は、ドナルド・トランプ大統領の2期目政権時に設置された諮問委員会です。公式の政府機関ではなく、実業家イーロン・マスクが主導しています。トランプ大統領は2025年1月20日の大統領就任直後にこの委員会の設置を正式に表明し、大統領令に署名しました。

設立の背景

2024年8月、トランプ氏は選挙運動中に、当選した場合、マスク氏に顧問の役割を与えることに前向きであると述べました。これに対し、マスク氏は自身のX（旧Twitter）アカウントで「喜んで奉仕する」と答え、政府効率化省と書かれた演台の前に立つ自身のAI生成画像を投稿しました。

同年11月12日、トランプ氏は、マスク氏と実業家ヴィヴェック・ラマスワミ氏の指導の下、政府効率化省を設立する意向を発表しました。トランプ氏は、この委員会の活動はアメリカ独立宣言250周年である2026年7月4日までに終了し、アメリカ250周年記念式典と同時に開催される「Great American Fair」と同時開催されると述べています。トランプ氏はこの省による成果を「アメリカへの完璧な贈り物」と表現しました。

省の名称と特徴

政府効率化省という名称ですが、公式の省は議会の承認を必要とするため、連邦行政部となる可能性は低いとされています。大統領府の構成要素、または行政管理予算局と緊密に連携する大統領委員会になる可能性が高いです。省の名称である「DOGE」は、インターネットミームの「Doge」と、マスク氏が以前から関わっている暗号通貨「ドージコイン」の両方を参照したバクロニムです。

指導体制

2024年11月、トランプ氏はイーロン・マスク氏とヴィヴェック・ラマスワミ氏を共同委員長に選びました。DOGEは諮問委員会であるため、指導部の承認には上院の承認は不要で、大統領の承認のみで務めることができます。しかし、2025年1月、ラマスワミ氏は2026年のオハイオ州知事選挙に立候補するため、就任しないことが報じられました。

潜在的影響

マスク氏は、DOGEによってアメリカ合衆国の連邦予算を2兆ドル削減できると考えています。また、アメリカ最大の銀行であるJPモルガン・チェースのCEO、ジェイミー・ダイモン氏もこの構想を支持しています。

『ニューヨーク・タイムズ』紙は、マスク氏の企業が連邦政府の請負業者であることから、DOGEにおける活動が利益相反を引き起こすのではないかと疑問を呈しています。これに対し、マスク氏は規制緩和がSpaceXの火星植民地化計画への唯一の道であると主張し、「政府を人々の背中から、そしてポケットから取り除く」と公約しています。

その他の情報

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、DOGEの設立が発表される前に、マスク氏がアルゼンチンの規制緩和・国家改革大臣であるフェデリコ・スターツェネガー氏に電話をかけ、彼の省のモデルをアメリカ合衆国で模倣することについて話し合ったと述べています。

DOGEの構想は、連邦支出を削減し、政府規模と連邦財政赤字の規模を縮小するというトランプ氏の選挙公約に関連付けられています。マスク氏は、元下院議員で大統領候補のロン・ポール氏がこの省で働く可能性を示唆しています。

ドージコインは、2024年のトランプ氏の選挙勝利後に価格が上昇し、DOGEの発表後にも再び上昇しました。マスク氏は以前、この暗号通貨に関連する「パンプアンドダンプインサイダー取引スキーム」で告発されたこともあります。

関連リンク

* Department of Government Efficiency (@DOGE) - X（旧Twitter）

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