政治学院

政治学院 (Sciences Po) について

政治学院（フランス語: Institut d'études politiques、略称: Sciences Po〈シアンスポ〉、I.E.P.〈イウペ〉）は、フランスにおける行政系グランゼコールとして知られています。

概要

現在、フランス国内の主要10都市（エクス＝アン＝プロヴァンス、ボルドー、グルノーブル、リール、リヨン、レンヌ、パリ、ストラスブール、トゥルーズ、サン＝ジェルマン＝アン＝レー）にそれぞれ政治学院が存在します。入学は非常に難しく、ほとんどの学生が入学試験を突破する必要があります。パリ政治学院、グルノーブル政治学院、ボルドー政治学院の3校は独自の入学試験を実施していますが、それ以外の学院では統一試験が用いられています。地方の政治学院は、各都市の国立大学に付属する行政的な公施設法人として運営されています。

歴史

1872年：自由政治学院が創設（パリ政治学院の前身）
1945年：ストラスブール政治学院が創設
1948年：ボルドー政治学院、トゥルーズ政治学院、リヨン政治学院、グルノーブル政治学院が創設
1956年：エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院が創設
1991年：リール政治学院、レンヌ政治学院が創設

連携

従来、政治学院間の連携は教育や研究課題に関するものが主でしたが、近年では6つの政治学院が共通入学試験を導入するなど、ネットワークを構築し交流を深めています。さらに、パリ郊外のサン＝ジェルマン＝アン＝レー市にも新たな政治学院が設立されました。

教育

すべての政治学院で、法学、歴史、経済学、政治学、社会学、ファイナンスなどの科目が提供されています。社会科学の多様性と学問分野間の相互関係を重視し、学生の総合的な問題解決能力や多角的な視点を養うことに重点を置いています。教育理念の根底にはヒューマニズムがあります。卒業生は、民間企業では幹部候補生として活躍する道が開かれています。また、フランス国立行政学院への合格者の多くはパリ政治学院の出身者であり、国立行政学院、国立司法学院、フランス外務省などへ進む学生も多くいます。

パリ以外の政治学院は、特定の文化圏に関する専門知識を深める傾向があります。例えば、ストラスブール政治学院は欧州連合（EU）の問題に強く、グルノーブル政治学院やエクス＝アン＝プロヴァンス政治学院はアラブ世界に焦点を当てています。レンヌ政治学院はドイツとの関係に強みを持っています。

さらに、全ての政治学院で、学生は1年間の海外留学またはインターンシップを義務付けられています。留学先は各政治学院との提携関係によって異なりますが、日本では東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、一橋大学などが留学先として選ばれることが多いです。インターンシップは、フランスに本部を置く多国籍企業、フランス共和国大使館、国際連合などの国際機関、主要なNGOなどで実施されることが一般的です。

クリテリアム

政治学院間クリテリアム（フランス語: Critérium inter-IEP）は、政治学院間の学生たちがスポーツで競い合う大会です。1986年から毎年3月に開催され、3000人以上の学生が集まります。大会の運営費用は約20万ユーロで、民間企業からの協賛金や学生からの寄付によって賄われています。

脚注・参考文献

フランス法曹育成についての調査報告書

外部リンク

* 政治学院卒業生協会 公式サイト

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