故買

故買(こばい)とは



故買とは、顧客が持ち込んだ品物が盗品であることを認識しながら、その品物を買い取ったり、交換したりする行為を指します。この行為は「窩主買い(けいずかい)」とも呼ばれ、行う人物は「故買人(こばいにん)」、「故買屋」、「故買商」、「窩主(かしゅ)」、「通屋(とおしや)」などと呼ばれます。

法律による規制



日本では、故買は刑法第39章の盗品等関与罪(1995年に贓物罪から改正)によって処罰の対象となっています。これは、盗まれた物品の流通を助長し、窃盗などの犯罪を助長する行為とみなされるためです。

英語での表現



英語では、故買は「フェンス(Fence)」と呼ばれます。この言葉は、盗賊たちが使用していた隠語(シーフズカント)に由来し、盗品の追跡を防ぐという意味合いを持っています。その他にも、「receiver」、「mover」、「moving man」などの表現も使われます。

故買の歴史と背景



故買は、古くから存在し、闇市などと深い関わりがあります。盗品が市場に出回るルートを形成し、犯罪組織の資金源となることもあります。また、質屋や蚤の市、露天商古物商なども、時には故買に関与してしまう可能性があり、注意が必要です。

故買と関連する事項



故買は、以下のような様々な事柄と関連しています。

闇市: 非合法な物品の取引が行われる市場で、故買もその一部として行われることがあります。
ホワイトマーケット: 闇市とは対照的に、合法的な物品の取引が行われる市場です。
質屋: 物品を担保にお金を貸す業者ですが、盗品が持ち込まれるケースもあり、注意が必要です。
蚤の市: 中古品や古物を売買する市場で、盗品が紛れ込む可能性があります。
露天商: 路上で商品を販売する業者で、盗品を扱ってしまうことがあります。
古物: 中古品や古道具などのことで、盗品が紛れ込んでいる場合があります。
行商: 商品を持って各地を回って販売する業者で、盗品を扱ってしまうこともあります。
密輸: 海外から不正に物品を輸入する行為で、盗品が関わることもあります。

著名な故買屋



歴史上、有名な故買屋としては、18世紀のイギリスで活動したジョナサン・ワイルドが挙げられます。

小説に描かれた故買



ダニエル・デフォーの小説『モル・フランダーズ』では、主人公が犯罪に手を染め、盗品を売買する場面が描かれています。この小説は、当時の故買の実態を物語る資料としても見ることができます。

故買は、社会における犯罪の構造を理解する上で重要な要素の一つです。盗品が流通する背景には、必ず故買の存在があります。そのため、故買を撲滅することは、犯罪を減らすために不可欠な取り組みと言えるでしょう。

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