救小屋

救小屋（すくいごや）とは

救小屋は、江戸時代に発生した地震、火災、洪水、飢饉などの大規模な天災によって家や生活基盤を失った人々を救済するために、幕府や諸藩が設置した公的な救済施設です。別名、御救小屋（おすくいこや）とも呼ばれます。これらの施設は、被災者に対する一時的な避難場所としての役割だけでなく、食料の提供や職業の斡旋を通じて、被災者の生活再建を支援する重要な役割を果たしました。

救小屋の概要

救小屋は、全国の各藩でも盛んに設置されましたが、特に江戸や大坂などの都市部では、地方からの避難民が集中したため、大規模な収容施設となりました。都市部への人口流入は、治安悪化の要因となることが懸念されたため、江戸では町奉行所が救小屋の管理を担当し、治安維持にも力を注ぎました。

救小屋では、被災者に対して宿泊場所の提供に加え、食料として米の配給が行われました。また、被災者が再び自立した生活を送れるように、職業の斡旋も行われました。これらの支援活動を通じて、救小屋は被災者の生活を支えるだけでなく、社会の安定にも貢献しました。救小屋は、単なる避難場所ではなく、被災者の生活再建を包括的に支援する施設だったと言えるでしょう。

救小屋の設置は、災害時の人道的支援を行うという側面だけでなく、社会秩序を維持するという重要な目的も持っていました。特に都市部においては、被災者の増加が社会不安につながる可能性があったため、救小屋による組織的な救済活動は、都市の安定に不可欠な要素でした。

関連項目

江戸四大飢饉: 救小屋が設置される背景には、飢饉などの大規模な災害が影響していました。江戸時代には、度重なる飢饉が発生しており、そのたびに多くの人々が生活に困窮しました。
救荒: 救荒とは、飢饉などの非常時に備えて食料を蓄えたり、災害時の救済策を講じたりすることです。救小屋の設置も、この救荒の一環として行われました。
* 炊き出し: 救小屋では、被災者に対して米などの食料を提供するための炊き出しが行われました。炊き出しは、被災者の飢えをしのぐ上で重要な役割を果たしました。

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