教育関係職員

教育関係職員（きょういくかんけいしょくいん）

「教育関係職員」とは、教育に関する多岐にわたる職務に従事する職員を広く指す言葉です。

しばしば学校の教員（教師）のみを連想されがちですが、この用語はそれより広範な概念であり、様々な場所で教育活動を支え、あるいは教育行政に携わる職員を含みます。具体的には、以下のような人々が教育関係職員に該当する場合があります。

学校における職員全般（教員だけでなく、事務職員、技術職員なども含む）
公立図書館の職員（図書館員、司書など）
博物館や美術館の職員（博物館員、学芸員など）
公民館などの社会教育施設の職員（公民館員、公民館主事など）
教育委員会の事務局に勤務する専門的または一般的な職員

このように、教育関係職員は、子どもたちの学びを支援する学校現場から、生涯学習や文化活動を推進する社会教育施設、そして教育政策や制度を司る行政機関まで、幅広い分野で活躍する専門家や実務家を包含する概念と言えます。

法令における関連用語

教育関係職員という包括的な用語とは別に、関連するいくつかの法令においては「教育職員」や「教職員」といった用語が用いられており、それぞれ定義する範囲が異なります。主なものを以下に示します。

教育職員（教育職員免許法）

教育職員免許法は、教員の免許状に関する基準などを定めた法律ですが、この法律における「教育職員」の定義は、制定当初と現在でその範囲が変更されています。

制定当初（昭和24年）: 小学校、中学校、高等学校、盲学校、ろう学校、養護学校、幼稚園の教員（教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、講師）に加え、これらの学校の校長（園長を含む）、教育委員会の教育長、指導主事も含まれていました。
* 現在（複数回の改正後）: 1954年の改正で校長、教育長、指導主事が定義から削除され、その後、中等教育学校（1998年）、栄養教諭（2004年）、義務教育学校（2016年）の教員が追加されました。また、2007年には盲学校、ろう学校、養護学校が特別支援学校に名称変更されています。

現在の教育職員免許法における「教育職員」は、学校教育法に定める小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼稚園に勤務する教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、講師といった「教員」に限定されています。この法律の文脈では、校長や事務職員などは含まれません。

教育職員（義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法）

この法律では、政治的中立を確保すべき教育職員として、義務教育諸学校（小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校の小学部・中学部、中等教育学校の前期課程）の校長、教頭、教諭、助教諭、講師が挙げられています。教育職員免許法とは異なり、ここでは校長や教頭も「教育職員」の範囲に含まれています。

教育職員（地方自治法・地方自治法施行令）

地方公共団体の職員の退職年金や退職一時金に関し、在職期間を通算する際の規定などで「教育職員」という用語が使われています。これは主に公立学校の教員等を指すと解されますが、具体的な適用範囲は関連規定によって判断されます。

教職員（女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律）

この法律は、女性教職員の出産に伴う代替要員の確保を目的としており、ここで定義される「教職員」は比較的広い範囲を含んでいます。校長（園長）、教頭、教諭、養護教諭、栄養教諭、助教諭、養護助教諭、講師（常勤または短時間勤務の者）、実習助手、寄宿舎指導員に加え、学校栄養職員（栄養教諭以外の給食関係職員）や事務職員も含まれます。この例のように、「教職員」という語が教員以外の職員を含む場合もあります。

まとめ

「教育関係職員」は、教育分野で働く多様な人々を指す広範な言葉です。一方で、「教育職員」や「教職員」といった関連用語は、どの法律や文脈で使われるかによってその定義や範囲が異なります。これらの用語を使用したり、関連する情報を参照したりする際には、それぞれの定義に注意が必要です。

関連する職種には、学校職員、教員、事務職員、司書、学芸員、公民館主事、教育長、指導主事などがあります。また、県費負担教職員や教育公務員といった区分も関連してきます。

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