指導主事

指導主事について

指導主事（しどうしゅじ）は、都道府県及び市町村の教育委員会に配置される専門職であり、主に学校教育に関する業務を担当しています。この役職は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、教育公務員特例法における専門教育職として位置づけられています。他の専門職である社会教育主事が社会教育や生涯学習を担当するのに対し、指導主事は学校教育に特化しています。

職務内容

指導主事の主要な職務は、教育委員会が管理する学校の教育課程や学習指導が適切に実施されているか確認し、問題がある場合には改善策を提示・指導することです。具体的な業務には以下のような内容が含まれます：

• - 教育課程が正しく運用されているかの把握と指導
• - 特定の指導を行う統括指導主事（場合によっては主任指導主事）には、特別なリーダーシップが求められ、各学校に対し具体的な指導を実施
• - 校長や教頭、教員に対する研修を行い、教育の質を向上させる
• - 研究指定校へアドバイスを提供し、教育活動の向上を図る
• - 教員や生徒に関する問題解決に向け、校長や教頭と協力して対応する

資格要件

指導主事には、学校教育に対する深い理解と専門的な知識が求められます。一般には、大学以外の公立[[学校]]の教員資格を持つ者が充てられることが多いですが、大学との関連は必ずしも必要ではありません。また、教員籍を持ったまま指導主事に任命された場合、日本では「充て指導主事」として知られています。教育委員会がこの役職に指定する際には、他の教育委員会の同意が必要である場合もあります。

選考及び身分扱い

指導主事の選考は、教育委員会の教育長によって行われます。昇任や新規採用は厳正な選考プロセスを経て実施され、指導主事の給与や勤務条件については法律によって定められています。指導主事として任命された教員は、その間は教員の通常の職務には従事できません。

問題提起

ただし、指導主事制度にはさまざまな問題点も指摘されています。著書『教育委員会の真実』の中で角田裕育は、指導主事が学校長との馴れ合いを助長し、学校内の不祥事を隠蔽する役割を持つことがあると述べています。こうした観点から、指導主事が学校管理職の昇進を見込むための一時的なポストとして使われる傾向もあると言われています。

まとめ

指導主事は、日本の学校教育において重要な役割を果たす専門職であり、教育課程や学習指導の適正を監督し教育の質を高める使命を担っています。しかし、制度の運用にはその適切な役割や意義が積極的に発揮されるよう、継続的な見直しが必要とされています。

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