敦慶親王

敦慶親王について



敦慶親王（あつよししんのう）は、平安時代の初期から中期にかけて活躍した皇族である。彼の初名は維蕃で、宇多天皇の第四皇子であり、醍醐天皇の同母弟でもあった。官位は二品・式部卿であり、光玉宮という名でも知られている。

経歴


敦慶親王は寛平元年（889年）に親王宣下を受け、同年の12月28日にその地位を得た。翌年には、兄である維城親王（後の醍醐天皇）と共に改名し、維蕃から敦慶に改めた。彼はその後、異母妹である均子内親王と結婚するが、延喜10年（910年）に彼女を亡くしてしまった。非常に評価が高かった彼の人柄は、周囲の人々に深い悲しみをもたらした。

延喜13年（913年）には、宇多法皇主催の歌合に「中務の四のみこ」として参加し、すでに中務卿の官職にあった。延喜16年（916年）には、金字寿命経を書写し、仁和寺に法会を設け、宇多法皇の五十の賀を催した。さらに、彼は延喜18年（918年）に六条院への行幸では笛を吹き、翌年には甥・代明親王の元服に際して絃歌を奉じるなど、文化活動にも積極的であった。

延長2年（924年）頃、彼は中務卿から式部卿に転じ、延長3年（925年）には大学別当の職も兼任し、その官位は二品に達した。しかし、延長8年（930年）2月28日に44歳で薨去した。その時の彼の官位は二品行式部卿であった。

人物像


敦慶親王は「好色無双の美人」と称されるほど容姿に恵まれており、その美しさは人々に語り継がれている。彼の通称である光玉宮が、源氏物語の光源氏のモデルであるという説も存在している。敦慶親王は琴や弓の技術にも秀でており、和歌の才能にも恵まれていた。彼の作品は『後撰和歌集』に8首が収録されており、『伊勢集』や『大和物語』にも作品が残されていることで知られる。

また、彼は孚子内親王（桂のみこ）や伊勢との交際が知られ、特に伊勢との関係からは歌人・中務が誕生している。敦慶親王の死は多くの人に惜しまれ、当時の歌人たちによって哀悼の歌が詠まれた。彼の人柄や業績は、平安時代の文化に大きな影響を与えたことは間違いない。彼の和歌や文化活動は、その後の時代にも影響を与え続けた。

官歴


敦慶親王の官歴は次の通りである。

系譜


敦慶親王の家系は以下の通りである。
- 男子：源後古
- 男子：源方古
- 男子：源福慶

敦慶親王の偉業と才能は、平安時代の文化に光を与え、後世に語り継がれることとなった。

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