敬和学園高等学校

新潟県新潟市北区の太夫浜に位置する敬和学園高等学校は、1968年（昭和43年）にキリスト教プロテスタント派の日本基督教団によって設立された私立高等学校です。

建学の精神と教育

敬和学園の教育は、初代校長である太田俊雄氏が提唱した建学の精神「敬神愛人」に根差しています。これは神を敬い人を愛するという聖書の教えに基づき、生徒一人ひとりの個性を尊重しながら、全人的な成長を目指す人格教育を実践しています。日々の学園生活の中にキリスト教の教えが息づいており、毎朝の全校礼拝や週に一度の聖書の授業は必修科目として位置づけられています。また、水曜日には教職員と有志の生徒による祈祷会も行われています。

学びの特徴

設置学科は全日制の普通科のみで、きめ細やかな指導が行えるよう少人数教育を取り入れています。国語、数学、英語といった主要科目は、生徒の習熟度に応じた3つのクラス編成で展開されます。特に英語教育に力を入れているほか、2年次以降は必修科目に加えて、それぞれの進路希望に合わせた科目を選択できる自由度の高いカリキュラムが特徴です。また、学校独自の教育プログラムとして「労作」があります。これは汗を流し、共に無償で働くことを通して、奉仕の心や共同体における自分の役割を学ぶ大切な機会です。敷地内には労作畑があり、農作業などを体験できます。毎年5月には学年ごとに取り組む全校労作も実施されています。

国際交流と寮生活

開校当初から国際交流を重視しており、アメリカ海外教室（現在はホームステイ形式）、交換留学、短期留学など、様々な形で国際的な視野を広げる機会が提供されています。また、全校生徒の約4分の1が生活する寮は、労作と並んで敬和学園の教育の両輪と位置づけられています。集団生活を通して自立心や協調性を育む場となっています。

特色ある行事

年間を通して多様な行事が行われます。6月上旬に開催される「フェスティバル」は、文化祭と体育祭を組み合わせた2日間にわたる一大イベントで、生徒たちが長い時間をかけて準備します。一般的な修学旅行にあたる「修養会」は、すべての学年の生徒が参加する点が特徴です。過去には、訪問先について社会的な議論を呼んだこともありました。クリスマスシーズンには、クラスごとに讃美歌を披露する「讃美歌発表会」がクリスマス礼拝と合わせて行われます。卒業式は「卒業礼拝」として厳粛に行われ、後半の「卒業生を送る会」では在校生が準備した企画で卒業生を祝い、最後は全員でハレルヤを合唱して締めくくられます。

課外活動

部活動も活発で、アーチェリー部、ラグビー部、柔道部などの体育系や、器楽部、声楽部、男子声楽部「シュビドゥヴァーズ」といった文化系など、多岐にわたります。過去にはバレー部がビーチバレージャパンジュニアで3位に入賞した実績があり、器楽部「JAZZ HORNETS」は地元プロサッカーチーム、アルビレックス新潟のホームゲームで応援演奏を行うこともあります。

沿革の概要

敬和学園は、新潟開港100周年記念事業の一環として新潟県から誘致を受け、1963年に設立準備委員会が発足しました。1967年に学校法人敬和学園が設立され、翌1968年に開校に至ります。その後、校舎の増改修（黎明館）、チャペルの完成、新ホール（友愛館）の建設など、施設の拡充が進められました。1991年には同じく学校法人敬和学園によって敬和学園大学が開学しています。また、1995年の阪神・淡路大震災では生徒ボランティアを被災地に派遣するなど、社会奉仕活動にも積極的に関わっています。

学校の細部

クラスの名称が一般的な数字ではなく、「磐梯」や「弥彦」など日本各地の山の名前（18クラス全て）が付けられているのはユニークな点です。制服は男女共通の灰色を基調としたブレザータイプで、時代に合わせてデザインの変更が行われており、2018年度にも改定されています。

歴代校長と卒業生

歴代の校長は、開校以来すべて牧師などキリスト教に関わる人物が務めています。初代校長は太田俊雄氏でした。
本校からは、テノール歌手の笛田博昭氏、漫画家のRAN氏やこいしさとし氏、モデル・女優の馬場ふみか氏など、様々な分野で活躍する著名な卒業生を輩出しています。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、新潟交通バスの「敬和学園高校前」バス停が最寄りです。新潟駅や豊栄駅などからアクセス可能です。また、学校独自のスクールバスが複数コース運行されており、多くの生徒が利用しています。

もう一度検索