敬恵公主

敬恵公主の生涯

敬恵公主（けいえこうしゅ、Kyung Hye Gongju）は、李氏朝鮮の第5代国王である文宗と顕徳王后の娘で、1436年に誕生しました。彼女の母である顕徳王后は、敬恵公主がわずか5歳の時に亡くなり、幼い頃から彼女は弟の端宗と共に、祖父である世宗の後宮で育てられました。公主は、平昌郡主と呼ばれていた時期もあり、王家の一員としての教育を受けました。

1450年、彼女は鄭忠敬の息子である鄭悰（チョン・ジョン）と結婚し、家族を持つことになりました。この婚姻に際して、彼女は土地を与えられました。ちょうど彼女の結婚の数ヶ月後、父の文宗は王位につき、敬恵公主も正式に公主に冊封され、王家の一員としての立場を確立しました。

しかし、敬恵公主の人生は波乱に満ちていました。1452年に父文宗が死去すると、弟の端宗が王位を継承しましたが、1455年には叔父の首陽大君が反乱を起こしました。この事件では、端宗が即位を退くこととなり、夫の鄭悰は流刑の身となります。敬恵公主は夫の疾患のために特例で彼を一時解放しましたが、彼女が回復すると同様に再び流刑されました。

流刑された夫が処刑されることとなり、愛する者たちが次々に悲劇に見舞われる中、敬恵公主もまた厳しい状況に直面します。国王世祖は彼女の地位を危うくしようとしましたが、貞熹王后の尽力により、その危機は回避されました。一部の文献では、彼女が尼になり質素な生活を続けたとも言われています。後に世祖は彼女のために、漢陽に家を与え、貴族としての名誉を保たせようとしました。

1474年12月30日、敬恵公主は38歳の若さで亡くなりました。しかし、その息子である鄭眉寿は、彼女の死後、1506年に発生した中宗反正で功績を残し、三等功臣の称号を受け取ります。彼は、母からの遺志を受け継いだとも言えるでしょう。

家族構成

敬恵公主は王家および夫家の歴史において重要な位置を占めていました。父親は文宗、母親は顕徳王后であり、弟は端宗です。また、彼女の夫は鄭悰で、息子には海平府院君・昭平公の鄭眉寿がいます。彼の結婚相手である全義李氏との間には実の子供はいませんでしたが、親戚から養子を迎え入れ、家系を存続させています。

映画やテレビへの登場

敬恵公主は数多くのフィクション作品に登場しています。例えば、1998年に放送されたKBSドラマ『王と妃』ではキム・ミジュが、2011年の『王女の男』ではホン・スヒョンが彼女の役を演じました。これにより、敬恵公主の存在は今なお多くの人に語り継がれています。彼女の人生は、文化や歴史への影響を及ぼし続けています。

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