整地 (囲碁)

囲碁の整地について



囲碁の対局が終局を迎えた際、両者が投了せずに最後まで打ち切った場合、地を数えやすいように石を整理する作業を「整地」と言います。この整地を行うことで、最終的な地を正確かつ効率的に数えることができます。整地まで行うことを「作る」と表現したり、整地を伴う対局を「作り碁」または「数え碁」と呼ぶこともあります。

整地の具体的な手順



1. 死石の処理: まず、対局終了後、全てのダメを詰め終えたら、自分の地の中にある相手の死石を取り除き、自分のアゲハマに加えます。
2. 相互の整地: 次に、双方が相手側の地に対して、同様の整地作業を行います。
3. アゲハマの配置: 取り上げたアゲハマを、相手の地の中に置きます。
4. 石の整理: 地を数えやすいように、石をずらしたり、必要に応じて交換したりして整形します。この際、地の大きさを変えないように注意する必要があります。

整地の重要性



整地を行うことで、複雑に入り組んだ地を分かりやすく整理し、正確に地を数えることが可能になります。図を用いた具体的な例で説明します。

具体例



(図1)は、架空の終局図の一部を示しています。この図では、△印が死石を表しています。右上の黒地は16目から死石1目を引いて15目、左隣の白地は12目から死石2目を引いて10目ですが、現状では地が入り組んでおり、数えにくい状態です。

そこで、まず死石(△)をそれぞれ相手の地の中に置き、その後□の石を地の中で移動させることで、(図2)のように整理します。

(図2)では、黒地は上部分が4×3-2で10目、下部分が5目で合計15目、白地は5×2で10目となり、非常に数えやすくなります。

このような作業が整地です。整地後、必ずしも黒地は黒石のみ、白地は白石のみで囲まれている必要はありません。例えば、(図2)の下部分の黒地を囲む白石のように、相手の石が混ざっていても、両対局者が黒地5目と認識できれば問題ありません。

整地の原則



整地は、原則として10目単位になるように形を整えます。また、10目単位にならない端数の地が残る場合でも、その箇所は最大で1ヶ所になるように調整します。ただし、これはあくまで目安であり、整地の目的は「数えやすくすること」であるため、絶対的なルールではありません。

整地の例



  • - 左上:3×4-2で10目の黒地
  • - 右上:7×3-1で20目の白地
  • - 左下:5×3で15目の白地
  • - 右下:辺の星の位置が盤端から10番目であることを利用した40目の黒地

これらの例のように、整地によって地を数えやすい形にすることが重要です。

まとめ



整地は、囲碁の対局において、最終的な勝敗を決定づける重要なプロセスです。この作業を丁寧に行うことで、両対局者は正確に地を数え、公正な結果を得ることができます。整地の技術を習得し、スムーズな対局進行を目指しましょう。



参考文献
林裕『囲碁百科辞典』金園社、1975年

関連項目
囲碁

外部リンク
* 「囲碁の基本:対局のルール・流れ」 日本棋院

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