投了

投了（とうりょう）とは

投了とは、ボードゲームやカードゲームなどの対戦型ゲームにおいて、一方のプレイヤーが自らの敗北を認め、ゲームを中断する行為を指します。英語では"Resignation"や"Surrender"と表現されます。

投了のタイミングと理由

投了は、勝利の見込みがないと判断した場合や、戦意を喪失した場合に行われます。時間や労力の無駄を避けるだけでなく、勝負にならない状況での対局継続は相手への敬意を欠くと考えられることも理由の一つです。多くの場合、「投了優先の原則」が存在し、反則があったとしても、指摘せずに投了した場合、その投了が優先されます。

各ゲームにおける投了の具体例

オセロ

オセロでは、通常、石数で勝敗が決まります。最終局面まで打ち切って石差を明確にするのが一般的ですが、明らかに負けが確定している場合は投了することもあります。

バックギャモン

バックギャモンでは、勝ち方や負け方によって得点が変動するため、最後までプレイすることが多いです。しかし、「何点勝ちが確定した」と判断できた場合、双方の合意によって終局することもあります。

囲碁

囲碁では、自分の手番で「ありません」「負けました」「参りました」などと発声し、頭を下げることで投了の意思表示とします。アゲハマを盤上に置くことも投了の意思表示となります。投了による決着は「中押し勝ち」「中押し負け」と呼ばれます。プロの対局では、逆転不可能な差がついた場合に投了することが多いですが、拮抗した実力者同士の対局では、最後まで打ち切ることもあります。

将棋

将棋では、自分の手番で「負けました」と発声するか、頭を下げて駒台に手を置くことで投了の意思を示します。プロの対局では、美しい手を出現させた時点や、一手違いの形にしてから投了することがあります。投了となる局面は主に以下の3つです。

詰み: 自玉が即詰みとなることがわかった場合。
必至: 自玉に必至がかかり、かつ相手玉が詰まない場合。
* 戦意喪失: 駒損が著しい、攻めが続かない、自陣が壊滅的な状態など、勝ち目がないと判断した場合。

2019年6月10日改定後の将棋連盟対局規定では、二歩などの反則に気づかずに投了した場合、投了に関わらず棋譜優先となり反則した側の負けとなります。

連珠

連珠では、先に五連を作った方が勝ちとなります。相手が四三（白の場合は三三、四四も）を打ち、防ぐことが不可能な場合は、五連を待たずに投了するのが一般的です。

チェス

チェスでは、「(I) resign」「負けました」などと発声し、握手をすることでゲームが終了となります。自分のキングを倒すことでも投了の意思表示となります。上級者の対局では、戦力差が明らかな場合、終盤に入る前に投了することがマナーとされています。

TCG (トレーディングカードゲーム)

TCGでは、投了を認めているタイトルと禁じているタイトルがあります。投了を禁じている理由としては、ゲームを意図的に長引かせる戦術や、「一回の勝利で2ゲーム分の勝ち点を得るカード」の存在などが挙げられます。

麻雀

麻雀には、明確な投了ルールはありません。1位や次戦に進出する可能性がなくなった場合でも、ゲームは続行されます。目無しになった場合の善後策については、麻雀の目無し問題を参照してください。

カーリング

カーリングでは、コンシード（concede）という投了に相当するルールが存在します。第6エンド以降に、点差が大きく、逆転が困難な場合、負けているチームが勝っているチームに握手を求めます。カーリングは貴族のスポーツだった背景から、「敗北を認める」のではなく、「相手の勝利を称え、勝利を譲る」という形式がとられています。

ゴルフ

ゴルフのマッチプレーでは、コンシード（concede）というルールがあり、対戦相手がショットを打つ前にカップインしたとみなし、敗北を認めることができます。コンシードの提案はいつでも可能ですが、出された側は拒否できません。

まとめ

投了は、単なる敗北宣言ではなく、ゲームに対する敬意、時間や労力の節約、そして戦略的な判断など、様々な意味合いを持つ行為です。各ゲームのルールや文化を理解することで、より深く投了という行為を理解することができます。

もう一度検索