敷島町 (前橋市)

敷島町

群馬県前橋市に属する地名、敷島町（しきしまちょう）は、郵便番号が371-0036と定められており、2013年時点での面積はおよそ0.82平方キロメートルです。この地域は、その成り立ちや地理的特徴において、周辺を流れる一級河川である利根川との深い関係を有しています。

地理

敷島町の区域は、その西側から南西にかけて利根川が流れています。特筆すべきは、明治維新の年である明治元年（1868年）の秋頃まで、現在の敷島町全域が利根川の河道内であったという歴史的事実です。このため、その後の河川改修によって流路が変更された後も、昭和40年代頃までは、かつての川底の跡や、川の流れによって形成された砂や土の中州、洪水時に自然に堆積した土砂による微高地である自然堤防、そして河川が蛇行して流路が変わり、取り残された旧河道に水が溜まってできた河跡湖などが、地域の地形として確認されていました。現在では、利根川が町の境界線の一部を形成しています。

歴史

敷島町は、比較的新しい行政地名として昭和29年（1954年）に誕生しました。この地名の成立は、当時南橘村の一部であった上小出および川原のそれぞれ一部地域が統合された結果によるものです。敷島町誕生の背景には、地域の中核をなす前橋市敷島公園の存在が深く関わっています。町域の大部分を占めるこの敷島公園と、それに隣接する敷島浄水場は、町が成立するよりも早い大正時代末期にはすでに前橋市の市有地となっていました。さらに、公園内に設置されていた総合グラウンドや、かつて存在した群馬県立水産試験場は県の県有地でした。

群馬県と前橋市が協力して敷島公園をさらに整備し、利用を促進するためには、周辺地域の行政区画を統合し、一体的に管理する体制を築くことが効率的であるとの判断がなされました。こうした経緯を経て、現在の敷島町となる区域は、当時の所属自治体であった南橘村の他の地域に先行して前橋市に編入されることとなり、新たな地名として「敷島町」が正式に定められました。このことから、敷島町は、敷島公園の整備拡充という行政目的とも連動して成立した地域と言えます。

地名の由来

「敷島町」という地名は、その町域の大部分を占める前橋市敷島公園の名称に由来しています。広大な公園が地域の象徴的な存在であったことが、そのまま町名として採用される根拠となりました。

世帯数・人口と学区

敷島町における世帯数および人口に関する統計データは、平成29年（2017年）8月31日時点の情報が存在します。また、この地域に居住する児童や生徒が、前橋市立の小・中学校へ通学する際の学区についても、行政によって具体的に定められています。

交通

交通網の状況を見ると、敷島町内には鉄道駅は設置されていません。路線バスの運行に関する情報は存在しますが、交通の要衝となる国道や県道といった主要幹線道路は町の区域を通過していません。地域の内部における移動は、主に生活道路や市道が利用されています。

主な施設

敷島町は、地名の由来ともなっている前橋市敷島公園を中心としたエリアであり、公園内には様々な公共施設が集積しています。スポーツ関連施設としては、プロサッカーの試合も開催される群馬県立敷島公園県営陸上競技場（「正田醤油スタジアム群馬」の愛称で知られる）や、その補助的な機能を持つ群馬県立敷島公園補助陸上競技場があります。また、球技用としては、群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場や、プロ野球の公式戦なども行われる群馬県立敷島公園野球場（「上毛新聞敷島球場」の愛称を持つ）、夏期に利用される群馬県立敷島公園水泳場などが整備されています。

文化的な施設としては、日本の近代詩壇に大きな足跡を残した萩原朔太郎の業績を記念して建てられた萩原朔太郎記念館が公園内に位置しています。さらに、公園の周辺には、前橋市への水道供給を担う重要なインフラ施設である敷島浄水場や、前橋の水道事業の歴史や仕組みを紹介する前橋市水道資料館も立地しています。これらの施設群は、敷島町が前橋市民にとって、スポーツやレクリエーション、文化活動、そして生活を支える基盤となるインフラの拠点となっていることを示しています。

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