文官懲戒令

官吏懲戒令について

官吏懲戒令（かんりちょうかいれい）は、日本における文官の懲戒に関する法令であり、1899年（明治32年）3月28日に公布されました。当初、その名称は「文官懲戒令」として制定されましたが、1946年に「官吏懲戒令」と改称され、1948年12月3日に廃止されました。

この法令は、懲戒の基本的な枠組みを提供し、文官の職務が遵守されるべきことを確認する役割を果たしました。特に、文官に対して職務を遂行する責任と、それに伴う懲戒に関する規定が明確に取り定められました。懲戒の対象は、一般的な文官だけでなく、特別な役職に就いている官吏についても触れられています。

懲戒の適用範囲

文官の懲戒に関する規定は、特別に定められた場合を除き、高等官や判任官に準用されます。したがって、これにより官吏は本令によって懲戒されることが基本的な方針となっていました。官吏は懲戒を受ける場合、主に2つの理由に限定されています。

1. 職務上の義務に違反した場合
2. 官職上の威厳や信用を失わせる行為をした場合

これに基づき、懲戒は淘汰処分と矯正処分の2つのカテゴリーに分かれ、具体的には免官や減俸、譴責が懲戒の方法として採用されました。特に減俸は、月俸の一部を削減する形で行われ、その範囲は法律により定められています。

懲戒委員会の役割

懲戒委員会は、官吏の懲戒手続きを担当する重要な機関です。文官高等懲戒委員会と文官普通懲戒委員会という2つの種類があり、それぞれ異なる役職の懲戒を議決します。

文官高等懲戒委員会は高等官を扱う委員会で、基本的には国内に1つのみ存在します。委員は高い職位にある官吏の中から任命され、出席者が5人以上でなければ会議は成立しません。一方、文官普通懲戒委員会は各省や地方自治体に設置され、高等官の中から委員が選任されます。

懲戒委員会はその趣旨から、刑事訴追が行われている場合、その事案に関する懲戒手続きを行うことができないという制約があります。これは公正な処理を確保するための措置です。また、懲戒処分を受けた者は、免官に至った場合、一定期間官職に就くことができないルールがあります。

沿革と法律改正

官吏懲戒令の歴史は明治時代に始まり、数回の改正を経て今日に至ります。1946年にはその名称が変更され、1948年に法律としての効力が失われました。これにより、官吏に対する懲戒の運用方法も大きな変革を迎えました。

このように官吏懲戒令は、日本の官吏制度の中で長い歴史を持ち、官吏の職務を厳正に守るための重要な法的な枠組みを提供してきたのです。

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