文智女王

文智女王：波乱の生涯と円照寺開基

文智女王（1619年 - 1697年）は、後水尾天皇の第一皇女として生まれました。母は四辻公遠の娘である四辻与津子（明鏡院）です。文智女王は、幼少期を梅宮、または沢宮と呼ばれ、後に文智大通という号を名乗りました。

生涯

後水尾天皇の治世は、江戸幕府との関係に大きく左右されました。2代将軍徳川秀忠の娘・和子の入内が決定した頃、天皇と四辻与津子との間に皇子が誕生。さらに文智女王も誕生したことで、幕府との関係は一時緊張しました。この出来事は「およつ御寮人事件」と呼ばれ、文智女王もその影響を受け、内親王にはなれませんでした。

しかし、叔父である近衛信尋らの庇護を受け、成長した文智女王は、寛永8年（1631年）に鷹司教平に嫁ぎますが、わずか3年で離縁。その後、母の死をきっかけに、父である後水尾上皇に招かれた一糸文守に師事し、寛永17年（1640年）に出家しました。

寛永18年（1641年）には修学院に草庵（円照寺）を営みますが、上皇がこの地に離宮を望んだことや、文智自身が俗世との関わりを避けたかったことから、京都を離れることを決意。明暦2年（1656年）に大和八島村に草庵を結び、隠棲しました。寛文元年（1660年）には、東福門院の取り計らいにより、円照寺は200石の領地を与えられました。その後、寛文9年（1669年）に現在地に移転し、円通殿を再建。山号を普門山と称しました。この時、東福門院は1000石を寄進。その後も加増があり、円照寺の領地は300石となりました。

寛文7年（1667年）には、仙洞御所で行われた3代将軍徳川家光の17回忌追善法要で導師を務めるなど、仏教界での地位を確立しました。

泉涌寺の記録によれば、徳川和子（東福門院）の最期を看取ったのは、後水尾上皇と文智女王の2人だけだったと伝えられています。また、後水尾上皇の臨終の際には、文智女王と妹である朱宮光子内親王が付き添いました。

文智女王は、皇族としての宿命を背負いながらも、自らの意思で仏道を選び、円照寺を основанияた生涯でした。彼女の人生は、当時の朝廷と幕府の関係、女性皇族の生き方、そして信仰のあり方を сегодня нам представляет.

参考文献

久保貴子『徳川和子』（吉川弘文館、2008）
久保貴子『後水尾天皇 - 千年の坂も踏み分けて』（ミネルヴァ書房日本評伝選、2008年）
* 末永雅雄・西堀一三『文智女王』（円照寺　1955）

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