文珠山 (大分県)

文珠山（もんじゅさん）

大分県国東市にそびえる文珠山は、標高616.2mの山で、国東半島では両子[[山]]に次ぐ高峰として知られています。瀬戸内海国立公園の一部であり、豊かな自然に囲まれています。山名は一般的に「文珠山」と表記されますが、「文殊山」と書かれることもあります。

歴史と名称

この山の歴史は古く、江戸時代に編纂された『豊後国志』には、中国の峨眉山に倣い「峨眉山（がびさん）」と記されていました。古くから山岳信仰の対象とされ、山腹にある文殊仙寺は、648年に役小角によって開基されたと伝えられています。文殊仙寺は、六郷満山の末山本寺として栄え、山号を峨眉山と称し、「日本三文殊」の一つに数えられています。

山の名前と寺の名前は区別して表記されるのが慣例で、山は「文珠山」、寺は「文殊仙寺」と書くのが一般的です。しかし、近年では観光案内などで「文殊山」「文珠仙寺」と表記されることも増えています。

霊場と登山道

文珠山は、文殊仙寺以外にも、柴竹観音、清滝観音といった霊場が存在し、山全体が神聖な場所として崇められてきました。文殊仙寺から山頂に至る登山道は整備されており、途中からそれぞれの霊場への参道が分かれています。特に、柴竹観音から続く文珠仙境と呼ばれる岩場を巡る尾根道は、スリル満点な体験ができることで人気です。その途中には風ノ神の祠があり、周辺からは絶景を望めます。ただし、岩場には梯子などが設置されているものの、滑落の危険があるため、登山には十分な注意が必要です。

紅葉の名所

文珠山は、紅葉の名所としても有名で、秋になると山全体が鮮やかに彩られます。文珠仙境の岩場や、文殊仙寺の駐車場を挟んだ反対側にある岩場は、特に美しく、一般に「文珠耶馬」と呼ばれています。紅葉の時期には多くの観光客や登山客が訪れ、その美しい景観を楽しんでいます。

文珠山は、歴史と自然が織りなす魅力的な山です。登山や紅葉狩り、寺社巡りなど、さまざまな楽しみ方ができます。訪れる際には、事前の情報収集や準備を怠らないようにしましょう。

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