斉藤利男

斉藤利男：日本中世史研究の大家

斉藤利男（さいとう としお、1950年3月27日 - ）は、日本の中世史研究において多大な功績を残した歴史学者であり、弘前大学名誉教授の称号を有しています。専門は日本中世史であり、特に奥州藤原氏に関する研究で知られています。

生い立ちと学歴

茨城県に生まれた斉藤氏は、1973年に東北大学文学部国史学科を卒業。その後、同大学院文学研究科博士課程後期に進み、1982年に単位取得退学しました。大学院では、日本中世史研究の基礎を築きました。

学術キャリア

1983年、斉藤氏は弘前大学教育学部の講師として教鞭を執り始め、1986年に助教授、1997年に教授へと昇進しました。長年にわたり弘前大学で教鞭を執り、後進の育成に尽力しました。2015年3月に弘前大学を退官。2018年からは弘前学院大学社会福祉学部の特任教授として、新たな舞台で活躍しています。

研究内容と業績

斉藤氏の研究は、日本中世史、特に奥州藤原氏に関するものが中心です。平泉文化や北方地域史に関する研究も行っており、これらの分野において数多くの重要な業績を発表しています。

著書

『平泉 よみがえる中世都市』（岩波新書、1992年）
『奥州藤原三代 北方の覇者から平泉幕府構想へ』（山川出版社、日本史リブレット、2011年）
『平泉　北方王国の夢』（講談社選書メチエ、2014年）

編著

『北の内海世界 北奥羽・蝦夷ヶ島と地域諸集団』（山川出版社、1999年、入間田宣夫、小林真人共編）
『青森県の歴史』（山川出版社、県史、2000年、長谷川成一、村越潔、小口雅史、小岩信竹共著）
『北の環日本海世界 書きかえられる津軽安藤氏』（山川出版社、2002年、村井章介、小口雅史共編）
『北の防御性集落と激動の時代』（同成社、2006年、三浦圭介、小口雅史共編）
『十和田湖が語る古代北奥の謎』（校倉書房、2006年、義江彰夫、入間田宣夫共編著）
『生き方・地域の縁を語る 樹木葬和尚とともに』（本の森、2007年、千坂げんぽう編著、玄侑宗久、赤坂憲雄共著）
『霊山十和田－忘れられたもうひとつの十和田湖』（文化出版、2018年、十和田湖伝説の伝え方を考える会共編著）
『戦国大名南部氏の一族と城館』（戎光祥出版、戎光祥中世織豊期論叢３、2021年、斉藤利男編著）

これらの著作や編著は、斉藤氏の研究成果を広く社会に伝えるとともに、日本中世史研究の発展に大きく貢献しています。

斉藤利男の研究の意義

斉藤利男氏の研究は、これまで十分に光が当てられてこなかった日本の北方地域史、特に奥州藤原氏の歴史と文化に焦点を当て、新たな視点を提供した点に大きな意義があります。平泉文化の独自性や、北方地域と中央政権との関係性を明らかにし、日本史研究の幅を広げました。その学術的功績は、多くの研究者や学生に影響を与え続けています。

外部リンク

斉藤利男 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース

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