斉藤里恵

斉藤里恵：波乱万丈な人生を歩む政治家、作家、元ホステス

斉藤里恵（さいとう りえ）は、1984年生まれの日本の政治家、作家、そして元ホステスという異色の経歴を持つ人物です。髄膜炎の後遺症で幼い頃に聴力を失いながらも、持ち前の明るさと努力で数々の困難を乗り越え、人々に勇気と感動を与えています。

波瀾万丈な人生

青森県青森市で生まれた斉藤氏は、1歳10ヶ月で聴力を完全に失いました。その後、「青森一の不良娘」と呼ばれるほどの問題児だった時期もあったそうですが、万引きをきっかけに洋品店で働くことになり、接客業の楽しさを知ります。19歳で水商売の世界へ足を踏み入れ、2007年に単身上京。銀座の高級クラブでホステスとして働き始めます。

言葉でのコミュニケーションが難しい中、斉藤氏は筆談を駆使した独自の接客スタイルを確立し、瞬く間に人気を集め、ナンバーワンホステスの地位に上り詰めました。銀座での最初の店は八丁目の「Le Jardin」であり、当時の写真が店のホームページに残されています。彼女が愛用していたのは、RHODIAブロック（5mm方眼）のメモパッドでした。

『筆談ホステス』と社会貢献

2009年5月、自身の半生を綴った著書『筆談ホステス』を出版。この本はベストセラーとなり、斉藤氏は一躍時の人となります。同年11月には青森市の観光大使に任命され（2010年11月まで）、障害を持つ人が働きやすい店を作りたいという夢を語りました。ハワイアンエステにも興味を持ち、美容院を併設したエステサロンの開業も検討していたそうです。

『筆談ホステス』は2010年1月にはテレビドラマ化され、北川景子さんが主演を務めました。また、同年には妊娠を発表し、シングルマザーとして娘を出産。妊娠・出産を通じて得た経験を綴った著書『母になる』も出版しています。

政界への転身と現在

2015年、斉藤氏は東京都北区議会議員選挙に立候補し、トップ当選を果たしました。2019年には北区議を退任し、同年の参議院議員選挙に旧立憲民主党公認で比例区から出馬しましたが、落選しました。その後、2021年の東京都議会議員補欠選挙で初当選し、現在に至ります。2025年2月には立憲民主党会派を離脱し、無所属（一人会派）「東京を元気にする会」を結成しました。

政治家としては、選択的夫婦別姓導入に賛成の立場を取っています。また、生まれつきの聴覚障害のため、議会では音声読み上げソフトを活用しています。

著書

『筆談ホステス』（光文社、2009年）
『筆談ホステス 67の愛言葉 青森一の不良娘が銀座の夜にはぐくんだ魔法の話術』（光文社、2009年）
* 『筆談ホステス 母になる ハワイより61の愛言葉とともに』（光文社、2010年）

斉藤里恵さんの生き方は、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。彼女の今後の活躍から目が離せません。

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