斎村五郎

概要

斎村五郎（さいむら ごろう、1887年5月4日 - 1969年3月13日）は、日本の剣道界の巨星であり、昭和を代表する剣道家の一人です。彼は範士十段の段位を持ち、その卓越した剣技から「剣聖十段」と称されることが多かったです。また、斎村は気性が激しいことから、「雷五郎」や「ケンカ五郎」とも呼ばれていました。

生い立ち

斎村は旧福岡藩士の家庭に生まれ、福岡市の養巴町で育ちました。彼は福岡県立中学修猷館に入学し、そこで剣道に本格的に取り組みます。学生時代、吉留桂師範の道場で修行し、その同級生には後に副総理となる緒方竹虎がいました。二人は生涯にわたって親しい友情を維持しました。

剣道の修行と教師としての道

1906年、斎村は大日本武徳会武術教員養成所に入所し、内藤高治に師事します。1909年に卒業後、1913年には精錬証を授与されました。その後、武道専門学校の剣道助教授に就任し、剣道の普及と後進の指導に尽力します。

上京と指導者としての活動

1916年、29歳の時に上京し、剣道の指導活動を本格化させました。1928年には範士の位を取得し、警視庁や皇宮警察など多くの教育機関で師範や教授を務めました。この時期には、早稲田大学や日本大学などで後進育成に力を入れていましたよ。

天覧試合や国際舞台での活躍

斎村は昭和期の天覧試合にも出場し、1934年には皇太子御誕生奉祝天覧武道大会で中野宗助との試合を行いました。また、1940年の紀元二千六百年奉祝天覧武道大会でも活躍しました。特に1945年、戦時中に陸軍大臣阿南惟幾と面会し剣道の稽古を行ったエピソードは有名です。

戦後の剣道復興

日本の敗戦後、GHQによって禁止された剣道の復興に努めた斎村は、剣道の情熱を持ち続け、多くの弟子たちを育て上げました。1957年には全日本剣道連盟から剣道十段を授与されるなど、彼の剣道に対する貢献は後世に伝えられています。

名誉と栄誉

斎村は長い剣道人生の中で、勲四等旭日小綬章や紫綬褒章、剣道功労章、剣道殿堂顕彰などの多くの栄誉を受けています。彼の業績は剣道界に多大なる影響を与え、その名声は今なお伝えられています。

東京オリンピックでの演武

1964年の東京オリンピックの際には、修猷館の同級生・安川第五郎の要請に応じて、日本剣道形を演武しました。この機会は、日本文化を国際的に紹介する重要な場となりました。彼の生涯は剣道を通じて多くの人々に影響を与え続け、剣道の発展と普及に寄与した偉大な存在とされています。

結論

斎村五郎は、剣道界における重要な人物であり、彼の剣道への情熱と教えは、多くの人々に受け継がれています。その足跡は、剣道を愛するすべての人々にとっての指針であり、彼の名は永遠に記憶されることでしょう。

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