斎藤達雄 (医学者)

斉藤達雄：糖尿病・癌化学療法研究の先駆者

斉藤達雄（さいとう たつお、1914年11月30日 - 2012年11月4日）は、日本の内科学者であり、特に糖尿病と癌化学療法の分野で顕著な業績を残しました。医学博士。

生涯

福島県福島市に生まれた斉藤達雄は、福島中学（現福島県立福島高等学校）から第二高等学校 (旧制)を経て、東北帝國大学医学部を卒業しました。1938年には同医学部内科教室（教授・山川章太郎）に入局し、内科医としてのキャリアをスタートさせました。

1947年、斉藤は青森医学専門学校教授に就任。その後、1952年には東北大学医学部内科助教授（教授・黒川利雄）となり、研究者としての道を歩み始めます。1959年からは1年間、アメリカ国立がん研究所 (NCI) に留学し、癌研究の最先端に触れました。この留学経験が、後の斉藤の研究活動に大きな影響を与えたことは想像に難くありません。

1963年、斉藤は東北大学抗酸菌病研究所教授（癌化学療法部門、1969年臨床癌化学療法部門と改称）に就任し、癌化学療法の研究を本格的に開始しました。1974年には、同研究所所長・東北大学評議員に選出され、大学運営にも携わりました。定年退職後は、1978年に癌研付属病院副院長、1986年には同病院院長に就任し、臨床の現場でも指導的な役割を果たしました。

1988年には宮城県対がん協会会長、杏雲堂病院名誉院長に就任。1990年には、財団法人厚生会理事長となり、医療・福祉分野での貢献を続けました。また、東北大学名誉教授の称号も授与されています。1991年には、長年の功績が認められ、勲二等瑞宝章を受章しました。

2012年、斉藤達雄は福岡市にて逝去。享年97歳でした。その功績を称えられ、従四位が追贈されました。

研究業績と貢献

斉藤達雄は、糖尿病と癌化学療法の分野で多くの重要な研究成果を発表しました。特に、癌化学療法の分野においては、新しい抗癌剤の開発や、癌治療における化学療法の有効性に関する研究で、日本の癌治療の発展に大きく貢献しました。

また、斉藤は、日本癌治療学会名誉会員、日本化学療法学会理事、日本癌学会・日本肺癌学会・日本内科学会・日本消化器病学会・日本糖尿病学会などの評議員を歴任し、学会の発展にも貢献しました。後進の育成にも尽力し、多くの優秀な医師や研究者を育てました。

関連情報

斉藤達雄教授業績集、東北大学抗酸菌病研究所臨床癌化学療法部門、1978.4
「艮陵同窓会百二十年史」東北大学医学部艮陵同窓会、1998
* 東北大学加齢医学研究所腫瘍内科

斉藤達雄は、日本の医学界における偉大な先駆者の一人として、その名と業績は永く記憶されることでしょう。

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