斑師

斑師の生涯と衛国の権力変遷

斑師（はんし、生没年不詳）は、中国の春秋時代における衛の君主であり、襄公の孫であるとされています。彼はまた公孫斑師とも呼ばれ、『春秋左氏伝』では般師と記されています。彼の治世は、周囲の複雑な権力闘争の中で展開したため、非常に波乱に富んだものとなりました。

権力の掌握

荘公3年（前478年）10月、晋が衛を攻撃して混乱を引き起こした際に、斑師は君主として立てられました。これは、従兄である荘公が出奔した結果としての措置でした。この時期、斑師は血縁による支持を受けて君主に据えられましたが、その政権の安定性は脆弱でした。

11月に入り、荘公が鄄から衛に戻ったことにより、斑師は激しく動揺しました。荘公は権力を奪回するべく行動を起こし、斑師は再び逃亡の身となりました。この逃亡中、斑師の部下である石圃が荘公を恨む匠氏の協力を得て、荘公に対して反攻を仕掛けます。しかし、荘公は自らの安全を確保できず、結局逃亡に失敗し、大怪我を負うこととなります。

荘公の死と権力の再編

荘公は最終的に戎州の人々に攻撃され、彼を護衛しようとした太子疾と公子青も命を落とします。彼は己氏の家に逃げ込みますが、そこの主婦が荘公に恨みを持っていたため、荘公は遂にそこで命を落とすことになります。この状況は衛国に大きな混乱をもたらし、斑師は再び呼び戻され、衛君としてその地位に就くことになります。しかし、この復帰も長くは続きませんでした。

12月、斉が衛を再び攻撃した際、斑師は捕らえられてしまいます。彼の捕縛を受けて、代わりに公子起が衛君として立てられ、斑師の治世はこれにより終わりを迎えます。

結論

斑師の短い治世は、春秋時代の複雑な権力闘争を映し出すものであり、彼の出現とその後の運命は、衛国の政治的状況に多大な影響を与えました。彼の生涯を通じて、権力の変遷や君主に対する支持と裏切りが繰り広げられ、政治的な不安定さが続いたことが分かります。斑師を巡る出来事は、封建制度のもとでの権力闘争の厳しさを物語っています。

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