斗山世界大百科事典

斗山世界大百科事典

概要

斗山世界大百科事典（ドゥサンせかいだいひゃっかじてん）は、韓国の出版社である斗山東亜が刊行する朝鮮語の百科事典です。かつては紙媒体やCD-ROM版も存在しましたが、インターネット時代の到来と共に提供形態を変化させ、現在はオンライン上で無償で提供されています。2008年6月時点の情報では、約23万9700項目にわたる文書、63万枚を超える写真資料、そして97万4700枚以上のコミュニティ関連写真が収録されているとされています。2009年には、韓国におけるオンライン百科事典として最大の規模を誇るようになりました。

歴史的変遷

この百科事典の起源は、1982年に東亜出版社によって出版された全30巻の「東亜原色世界大百科事典」にさかのぼります。その後、東亜出版は1985年に斗山グループの子会社である斗山東亜の傘下に入りました。社名変更を経て、1996年には内容が全面的に見直された全30冊の「斗山世界大百科事典」として改めて刊行されました。紙版の刊行と並行して、CD-ROM版も制作され、広く利用されるようになりました。

しかし、インターネットの普及が進み、デジタルコンテンツの違法コピーが横行する社会状況の変化を受けて、斗山東亜は紙媒体およびCD-ROM版の出版を取りやめる決断を下しました。これに代わる主要な提供方法として、インターネット上での無料公開へと移行しました。

オンライン版「EnCyber」

2000年、斗山東亜はオンライン版のサービスとして「EnCyber」を開始しました。この名称は、「Encyclopedia」（百科事典）と「Cyber」（サイバー）という言葉を組み合わせたもので、「生きた知識の中心」となることを目指す斗山世界大百科事典独自の商標として位置づけられています。

EnCyberは、韓国国内の主要なオンラインポータルサイトを通じて、その内容を無償で提供するという戦略をとりました。特に、韓国の検索エンジン市場で大きなシェアを持つネイバー（NAVER）とは緊密な連携関係を築いています。ネイバーが韓国の検索市場でトップの地位を確立できた背景には、EnCyberが提供する質の高い百科事典コンテンツへの無料アクセスが可能であったことが一因として挙げられています。2003年には、ネイバーと斗山東亜の間で独占的なコンテンツ提供契約が結ばれ、その際に数十億ウォンに及ぶ多額のロイヤルティーがネイバーから支払われたと報じられています。

目的と位置づけ

斗山世界大百科事典は、その記事内容を通じて、あらゆる世代の人々に対する教育的な貢献を目的としています。韓国国内においては、主要な百科事典の一つとして広く認識されており、特にオンライン版のEnCyberは、2009年時点では韓国で最大の規模を持つオンライン百科事典としての地位を確立していました。

現在もオンラインでの無料提供を続けており、多くのユーザーにとって信頼できる情報源として利用されています。

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